『BanG Dream! Ave Mujica』最終回13話感想!女神と騎士、パラディーススの意味、ラスト考察

『BanG Dream! Ave Mujica』最終回13話感想!女神と騎士、パラディーススの意味、ラスト考察

「バンドリ!」アニメ『BanG Dream! Ave Mujica』最終回13話感想!

神々の運命と北欧神話における世界の終末・ラグナロク、女神と騎士・忘却の関係、欺瞞に満ちたパラディーススの意味、破壊と再生、若葉睦が鏡を見る場面、ラストシーンなどをネタバレ込みで考察!

MyGO!!!!!とAve Mujicaの違い、Ave Mujicaのバンド復活が早かった理由の考察、続編シリーズ情報も掲載!

『BanG Dream! Ave Mujica』最終回13話感想

神々の運命

アニメ『BanG Dream! Ave Mujica』最終回13話では、豊川祥子が「神々の運命」と書かれた本を読んでいたので、北欧神話における世界の終末・ラグナロクを思わせます。豊川祥子の手が千早愛音の手に切り替わり、MyGO!!!!!は5人で円陣を組んでいますが、Ave Mujicaは円陣を組んでいませんでした。

Ave Mujicaの豊川祥子は「神々の運命」の本を持っている=世界の終末を意識している虚無感があり、MyGO!!!!!の千早愛音は「神々の運命」の本を持っていない=迷子でも進む実体のある希望という対比になっていると考察できます。物理的に本を持っていても精神的には虚無感、手に何も持っていないからこそメンバーと円陣を組めるという逆転の視点が入っていたと思います。

カルペディエムのセリフは、その日を摘む=今を楽しむことで、Ave Mujicaが終焉の前に享楽的な気持ちになっている点を表現している印象です。

終わりを見据えて今は大きな虚構を抱くのがAve Mujica、明るい未来を見据えて今は間違いながらでも少しずつ進むのがMyGO!!!!!という見方もできます。

挿入歌

アニメ『BanG Dream! Ave Mujica』最終回13話の挿入歌は、MyGO!!!!!「聿日箋秋」「焚音打」、Ave Mujica「八芒星ダンス」「顔」「天球(そら)のMúsica」でした。

「聿日箋秋」の読み方は、いちじつせんしゅう。「わかれ道の先へ」の歌詞は、2025年4月26日・27日、Kアリーナ横浜で開催されるMyGO!!!!!×Ave Mujica合同ライブのタイトル「わかれ道の、その先へ」とリンクしています。「焚音打」(たねび)はMyGO!!!!!のライブでアンコールの最後に歌っているイメージなので、アニメ『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』続編としての最終回らしいセトリだと感じました。

「八芒星ダンス」は重低音の効いたダークな世界観で、八芒星(オクタグラム)が象徴する無限の循環にいること=メンバーは大きな視点で運命の一部ということを表現していた印象です。「顔」は明るめのサウンドが楽園や享楽の雰囲気を感じ、様々な表情と舌打ちも特徴的でした。「天球(そら)のMúsica」は星座のシーンがあり、「いつかは消えてく」の歌詞は終焉を見据えた今の虚構というイメージも湧く神曲でした!

女神と騎士

ドロリスは悲しみの騎士、ティモリスは恐れの騎士、アモーリスは愛の騎士、モーティスは死の騎士で、三角初華は罪深い存在、八幡海鈴は誰も信じてくれない恐ろしさ、祐天寺にゃむは羨み憎んでしまうほどの愛に苦しみ、若葉睦は命が死の上に立っていると考えていました。

悲しみ・恐れ・愛・死は相互に救済する要素にはならず、それぞれの苦しみから救う唯一の要素は忘却と考え、忘却の女神であるオブリビオニスを待っている状況でした。4人がいた場所は、うたかたの箱庭=精神的な避難所と解釈できます。

どこかに消えていたオブリビオニスが登場すると、4人が忘却によって一時的な救済を受ける雰囲気になっていたと思います。忘却は全メンバーのトラウマを和らげる絶対的なカードでありつつ、幻想を見せる手段という印象も受けました。

パラディースス・楽園

世界が壊れる時まで楽しく踊って暮らすだけの欺瞞に満ちたパラディースス(ラテン語で楽園の意味)と言って、豊川祥子が世界終焉時まで黄昏の楽園に君臨するような発言もありました。

欺瞞は運命に無力感を持ちながら享楽に退避すること・真の楽しさとは違う偽りの気持ちで嘘の楽園にいること、楽園は一時的な救済を与えてくれる精神的なシェルター・虚構、豊川祥子は終焉までの統治者・悲劇的パートナーのまとめ役といった印象です。

豊川祥子以外の4人はトラウマを乗り越えるために「悲しみ・恐れ・愛・死を恐れることなかれ」の言葉通り、恐れずに一旦受け入れてみた結果、逃れられない運命=世界の終焉だと気づいて苦しみ、退避的に忘却を望んで、終焉までひとときの享楽を過ごすイメージが湧いてきます。問題の未解決・未来が破壊されることを受け入れている気もします。

豊川祥子の場合、運命に抗って「忘却を恐れることなかれ」の言葉通り、恐れずに突き進み、豊川定治に押さえ付けられる運命をひっくり返した=問題を解決したと考察でき、この解決時点が楽園にいなかった時期だと感じました。ところが、忘却=豊川家の令嬢ポジションを破棄したことで今度は別の忘却要素(新たな虚無感や終焉に向かう運命)に気づき、楽園に登場したと解釈できます。

最初の問題は忘却で一度解決している側なので、未解決の人に忘却を与える神になった気がします。全体的には終焉を迎えて、完全な救いは難しいと思っているので、あくまでも幻想を見せて一時的に苦痛の解放・浄化を行っているイメージです。

人は問題解決→新たな問題が出てくる流れの中で生きていること、向き合うべき現実から一旦退避しながら奮闘すること、いつかは死ぬ運命にあることなど、哲学的・宗教的な要素も絡んでいる印象です。

破壊と再生

三角初華が何度も楽園に来ている描写は、苦しみをループしていること、あるいは破壊と再生を繰り返して、同じ地点を通過している運命の象徴と考察できます。

ラグナロクでは、神と騎士が一緒に戦って滅び、新しい世界ができるイメージがあります。破壊と再生のサイクルがあるとして、今は破壊前の時期・世界の終焉まで楽園で共に過ごす時期という印象です。Ave Mujicaが解散して復活したのも、破壊と再生を暗示していると解釈できます。

鏡とモーティス

若葉睦が鏡を見てモーティスが映るシーンは、睦ちゃん&モーティスが認め合って融合し、成長した新しい若葉睦になっていると考察できそうです。

以前は別人格のモーティスに切り替えて自分を守っていましたが、今は主人格をモーティスにしなくても自分の中で心の整理ができる状態になり、精神的に強くなったことを表現しているように思います。

鏡に映ったモーティスの笑顔は、CRYCHIC脱退時にバンドが楽しくなかったと言っていた状況から、今は楽しいと思えるように変化したことも伝わってきました!

ラストシーン

『BanG Dream! Ave Mujica』最終回13話のラストは、Ave Mujicaが女神の豊川祥子&騎士4人という雰囲気でライブを締めて、MyGO!!!!!が手を繋いで「ありがとうございました」と言っているシーンで結末を迎えています。

最後の終わり方は、Ave Mujica=手を繋いでいない・メンバーの立ち位置に距離がある・女神&騎士という地位の違い、MyGO!!!!!=手を繋いでいる・立ち位置は横並び・地位の差はない点が特徴的だと感じました。Ave Mujicaは歪で虚構的な楽園にいること、MyGO!!!!!は現実的な繋がりを強調している気もします。

バンド復活が早かった理由

『BanG Dream! Ave Mujica』はバンドアニメがしないような意外性のあるホラー路線・破壊の過程を丁寧に掘り下げたのに、形式的に見れば割とあっけなく復活して、最終回はライブシーンで構成されたバンドアニメになっています。

ただし、Ave Mujicaはいつか終焉する世界で闇を抱えたまま生きる雰囲気で、バンドは一時的な退避・楽園・ひとときの安らぎ場所と解釈すれば、急に復活した展開とも繋がってくると感じました。解決できない問題を一旦忘却し、全体的には未解決の運命を背負うのがAve Mujica、ぶつかり合って解決を目指し、迷いながら進むのがMyGO!!!!!なのかもしれません。

また、ライブシーンの中にも、睦ちゃん&モーティスの融合と解釈できるような伏線回収の要素がありました。ライブ演出や楽曲の歌詞がストーリーの一部になって多角的に表現されていたので、キャラクターとライブがリンクする「バンドリ!」作品としても完成度の高いアニメだと感じました!

続編シリーズ制作決定

アニメ『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』『BanG Dream! Ave Mujica』続編シリーズの制作決定、北欧ロケをしていることが発表されました。「シリーズ」なので単発の映画やOVAではなく、TVアニメシリーズなのかな?と感じます。

ロケ地が北欧神話やヨーロッパの歴史と関連しているのか、sumimiの純田まな・本物の三角初華について何か明かされるのか、バンド同士の絡みなども気になります!

最終回13話感想まとめ

アニメ『BanG Dream! Ave Mujica』最終回13話は、MyGO!!!!!とAve Mujicaのライブシーンが描かれ、新曲も披露していました。

MyGO!!!!!は続編としての補完があり、Ave Mujicaは初のアニメシリーズとしてバンドの世界観を示した作品になっていたと思います。CRYCHICの問題を解決して、それぞれのバンドで活動する意味を見出している点もグッときました。様々な対比・意味深な伏線を考察できる楽しみもあったと思います!

MyGO!!!!!とAve Mujicaの合同ライブや続編アニメも控えているので、今後も「バンドリ!」プロジェクトの展開に注目です!

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