イキヅライブ!駒形花火「HIBANA―火花―」歌詞意味&ことわざ・序破急の型考察。公野櫻子GODの叡智が炸裂

『イキヅライブ! LOVELIVE! BLUEBIRD』いきづらい部!

『イキヅライブ!』駒形花火(CV.藤野こころ)ソロ曲キャラソン「HIBANA―火花―」歌詞&曲名の意味、ことわざ・序破急の型などを考察。

作詞・公野櫻子さん(GOD)の叡智×作曲・GAK-amazuti-さんの才能が炸裂している楽曲の魅力、リリックビデオとの連動性、ソロシングルCDの発売日も掲載。

目次

駒形花火 初ソロ曲リリックビデオ

ラブライブ!新シリーズ『イキヅライブ! LOVELIVE! BLUEBIRD』登場アイドル・駒形花火(CV.藤野こころ)が初のソロで歌うキャラソン「HIBANA―火花―」のリリックビデオが2025年7月8日に公開!

楽曲は心の火花・熱い魂を呼び起こすようなデジタル音と重低音が効いたエレクトロ×メタルロック曲で、最初に聴いた際に度肝を抜かれた。銃というよりも線状の火花で心を撃ち抜かれ、点火したものが瞬時に全身まで燃え広がる感覚だった。ハードな曲調は何かのアニメOP主題歌で流れてきてもおかしくないレベルで、EDM・デジタル曲・ヴィジュアル系バンドが好きな方にも刺さると思う。

伝統的な和風表現も使用された歌詞は、呉服屋の看板娘で着物を世界に広めたいと思っている駒形花火の強い意志を感じる。赤色系のイメージカラー繋がりでは、Aqoursの黒澤ダイヤ、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の優木せつ菜を彷彿とさせる。

駒形花火のキャラソン公開前は着物キャラ=和楽器を使った和ロックなのか?とも感じていたが、和の要素は歌詞とリリックビデオの映像描写に配分して、サウンド面はエレクトロ系とメタル要素を取り入れた激しいロック曲に振り切っている意外性もあった。

『イキヅライブ! LOVELIVE! BLUEBIRD』はスクールアイドルが消えた後に新しくスクールアイドルを始める流れやネット高校などの斬新な設定に加えて、楽曲も予想の斜め上をぶつけてくる衝撃があるので、ますます目が離せない。

曲タイトル考察

曲タイトルは花火の名前を逆にした「HIBANA―火花―」になっている。キャラ別ソロ曲は今回で4曲目となるが、名前の漢字を反転させた曲タイトルは初となる。

火花を激しく燃える前に出る段階と解釈すれば、内に秘めた強い決意や覚悟が想像できる。夜空に舞う花火から出るイメージだと、明るい未来や夢の実現が連想される。

「―火花―」のように線状の棒が入っているのは、単なるルビ書きの発想だけでなく、視覚的な意味でも線状に光り輝く火花を思わせる。リリックビデオで白い線がまるで火花のように素早く動いていく描写、「Like a shooting star」(英語の意味:流れ星のように)の歌詞とも繋がる要素になっていると思う。

「HIBANA―火花―」歌詞意味考察

駒形花火(CV.藤野こころ)「HIBANA―火花―」歌詞では、「立てば芍薬 舞うカキツバタ」のフレーズがある。美しい女性を花で比喩的に表すことわざ「立てば芍薬(シャクヤク) 座れば牡丹(ボタン) 歩く姿は百合(ユリ)の花」「いずれ菖蒲(アヤメ)か杜若(カキツバタ)」に加え、駒形花火がXで「百合に紫陽花、カキツバタ」とポストしたことも連想できる。

続けて「まとう振袖の深紅」と歌い、「強く 強く」と2回繰り返す歌詞もあるので、赤色をイメージカラーとする駒形花火の美しい振袖姿・お着物活動家として主張する力強さを想像できる。

「挑んでゆく 徒手空拳」は何も持たないで挑むこと、「得意なのは一意専心」は1つのことに集中して努力するのが得意、「一騎当千」は1人で千人の敵を圧倒する=強く優れていること、「八万四千」は多数の意味で、それぞれ四文字熟語が入っている。

駒形花火は着物キャラなので、日本の古典的・伝統的な文化を大切にする視点がことわざ・四文字熟語の歌詞に出ていて、語れば長くなることを端的に表現しつつ、聴く人には多くの情報量を与えていると思う。侍・武士や戦乱の世を思わせる雰囲気は、リリックビデオに刀で斬る描写が入っている点ともリンクしている。相撲を連想する「いざはっけよい」の歌詞もあり、言葉の遊び心・ユーモアセンスも感じられる。

「捧げる 我が赤心」「後ろに続くキミのため」の歌詞は対照的で、先輩・後輩的な視点が真逆になっている。着物の先輩は駒形家の主や先人達、後輩は駒形花火を見て着物界で働く人や着物を愛する人が増える様子を想像できる。いきづらい部!では部長の高橋ポルカについていく発想と、浅草以外の福井・梅田・仙台サテライトの新メンバーが続くイメージ。ラブライブ!シリーズでは先輩ユニットと、新シリーズができた場合の後輩ユニットという考え方もできる。

導入・展開・結末を表す日本の伝統的な構成「序・破・急」を使用し、リリックビデオでそれぞれNo.1・2・3と隣に小さく書いてあるところは、サビ前の溜め・楽曲のフックとして効いており、2次元ファンの厨二心をくすぐる要素にもなっていると思う。

1番で序・破・急に対応する歌詞は「いつの間に 潜んでる 打って出ろ」、2番は「銅鑼が鳴り もやいとけ 船は出る」。敵に悟られないように静かに身を潜めて、動く時は激しく力強く進むイメージから、兵法における「風林火山陰雷」の林・陰と火・雷に該当する要素を感じる。2番はドラの音が鳴って、船と繋ぐ舫(もやい)=綱や紐が解けて、船が出る=今から攻める状況が想像できる。

サビは1番が「燃え上がれ」、2番が「舞い上がれ」と歌い、一気に攻めに転じる光景や希望が広がる未来を感じる。メロ部分は駒形花火が内に秘める強い決意、サビは外に出て力を発揮するイメージという印象も受けた。

「花火」を「きぼう」、「夜空」を「みらい」、「血路」を「みち」と読ませて、当て字のようにしているのは高橋ポルカ達のソロ曲でも使用された手法で、各キャラの性格や考え方に合わせた言葉で様々なバリエーションが出ているのがグッとくる。駒形花火の場合は、夜空で火花を散らす花火、「血路ひらいて」=困難な状況を抜け出す力強さが強調されている印象。

「夏の日の花火」は夏、「錦秋」は美しい秋、「降り積む雪」は冬、「夜桜」は春で、春夏秋冬の季節を指す歌詞も含まれている。春ではなく夏から開始して、夏はサビで繰り返し歌い、最後に春を配置することで、駒形花火の名前と主体性、明るい未来に向かうことを思わせる。

「赫奕と昇る陽は あなたを真白くかき消す」の歌詞は、赫奕(かくやく)=光り輝く様子や力強い赤色のイメージができたところで突然の白・かき消す印象になり、意外な方向に衝撃を受けた。命と引き換えに強大な力で周囲を吹き飛ばす死亡フラグのようなイメージが最初に思い浮かんでしまったのだが、冷静に考察すると戦乱の終わり・浄化、楽曲に圧倒された後の精神的な解放感などの良い意味で解釈できる。

駒形花火が突き進む様子を見守ると、周囲のキャラ・ファンが普段抱えている葛藤・怒り=悪い赤色要素が吹き飛び、心穏やかに浄化されるイメージが湧いてくる。リセットされた状態で新しく駒形花火の良い赤色要素で染まると仮定すれば、周囲のキャラが助かって駒形花火の信頼度が上がること、ファンなら推しが尊い状態になることも当てはまると思う。

赤に関する言葉も複数使用されていて、赤を2つ並べた漢字「赫」、濃い赤色「深紅」、黒みの入った赤色「真朱」などがある。これは駒形花火のイメージカラーだけでなく、力強い生き様・揺るぎない信念が伝わってくる。優木せつ菜に関連する「紅蓮の剣姫〜フレイムソード・プリンセス〜」で使用されていた「紅蓮」が歌詞に入っていないのは、作品の差別化に加えて、無数かつ細く熱い火花のイメージから、広範囲のまとまりで燃える炎の紅蓮とは異なる視点も考えられる。

「道半ばで倒れても」「片道切符」の歌詞でも力強さが出ているが、どこか危うさ・脆さも感じる。自らの葛藤や怒りは度外視して、責任感や使命感で突き進み、自己犠牲によって「あなた」に尽くす雰囲気が出ている気もする。

楽曲の一番最初と最後には「星になれ」の歌詞が配置されている。人の死亡を星になると表現することがあるので、死ぬ気で挑む強い覚悟と決意を表現していると考察でき、その熱量で火花が散っているイメージも連想できる。「陽は~真白くかき消す」のところで感じた死亡フラグの感覚は、死ぬ気で突き進むという解釈にも繋がってくる。

駒形花火のキャラソン「HIBANA―火花―」は四文字熟語・ことわざ・序破急の型・季語などの伝統的な要素や様々な比喩表現で情報量が多く感じられ、アニメ1クール分を観た後のような濃さが詰まっている印象も受けた。ところが、自然に4分12秒の楽曲枠に収める神業が炸裂している。他にも様々な考察ができるので、何度も聴き込んでいきたい。

作詞作曲者

駒形花火(CV.藤野こころ)「HIBANA―火花―」作詞は本プロジェクトの原案者で、これまで公開されたキャラ別ソロ曲の3つと同様に公野櫻子さんが担当。GOD(ゴッド)と呼ばれる公野先生の叡智や歌詞センスが遺憾なく発揮されているキャラソンだと思う。

作曲・編曲・ギターはクリエイターユニット「amazuti」のGAKさんが「GAK-amazuti-」として担当。『アイドルマスターシャイニーカラーズ』(シャニマス)・『あんさんぶるスターズ!!』(あんスタ)などの楽曲を手掛け、アニメやゲームソングとの関わりも深い。火花を思わせるデジタル音や巧みな音の仕掛けが随所に配置されており、火花の鋭利さ・熱さを具体的に想像できる曲調も魅力的。駒形花火のマインドと激しいロックサウンドが瞬時に聴く者の魂を呼び起こす神曲なので要チェック!

CD発売日

いきづらい部!駒形花火 1st Solo Single「HIBANA―火花―」は2025年9月10日にリリース!

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