『君のいる町』枝葉柚希はクズでうざいかを考察。
本当に枝葉柚希はクズでうざいのか、何を考えていたのかを分析していきます。
『君のいる町』枝葉柚希とは
枝葉柚希(えばゆずき)は、『君のいる町』のメインヒロイン。中学まで東京で過ごし、高校に入ってからは 主人公・桐島青大の家(広島)に居候していきます。
枝葉柚希はクズでうざいなどの感想も囁かれる人物で、評価が分かれるヒロイン設定になっています。主なシーンを振り返りつつ、本当に枝葉柚希はクズでうざいのかを考察していきます。
枝葉柚希はクズでうざいか考察
神咲七海&キスの理由
広島編での枝葉柚希は、桐島青大と彼が好きな女性・神咲七海との恋愛を応援しています。一方で、桐島青大にキスしたり、思わせぶりな態度をとることもあり、2人の恋愛成就を考えれば、枝葉柚希はクズでうざいと思ってしまうような場面もあります。
しかし、枝葉柚希は幼少期から桐島青大のことが好きであり、キスシーンなどでは自分の気持ちを表に出していると考察できます。桐島青大と神咲七海の恋愛を応援していたのは、自分の好きな相手が望んでいることを叶えてあげたいという思いもあったからだと解釈できます。
好きな気持ちと、桐島青大の願望を応援したい気持ち、その両方の狭間で揺れていたとも言えます。自分の気持ちを押し殺して、辛い思いもしていたはずです。そう考えると、必ずしも枝葉柚希はクズでうざいと言い切れない部分もあるのではないでしょうか。
風間恭輔と付き合った理由
東京編での枝葉柚希は、遠距離恋愛していたはずの桐島青大と音信不通になり、風間恭輔と付き合っています。桐島青大のことが好きだったのに、彼氏を変えた枝葉柚希。クズでうざいと思う読者が出てもおかしくありません。
しかし、枝葉柚希は 中学時代に助けてもらった風間恭輔が 余命1年の病気であることを本人の口から知り、「オレには柚希しかいねェんだよ だから頼む」と告白されています。悩んだ後、枝葉柚希は彼を支えると決意していきます。
このあたりの流れを時系列で整理すると、以下のようになります。
・枝葉柚希が東京に引っ越す(桐島青大とは遠距離恋愛になる)
・風間恭輔が枝葉柚希に告白
・悩んだ後、桐島青大への別れを告げる手紙を書く
・東京に来た桐島青大と神咲七海が手を繋いでいるところを目撃
・桐島青大に手紙入りのプレゼントを渡す
・桐島青大と音信不通になる(風間恭輔と付き合う)
枝葉柚希は、桐島青大が修学旅行で東京に来る前から別れることを決めています。桐島青大と神咲七海が手を繋いでいるところを目撃したことは、別れる決定的な要因ではありません。もっとも、風間恭輔には自分しかいない、桐島青大には神咲七海がいると思って、気持ちを整理した可能性はあります。
枝葉柚希が風間恭輔と付き合った理由については、風間恭輔の病気、中学時代に支えてもらったお礼・義務感・責任感などから来ていると考察できます。桐島青大の目線で物語が展開されていたこともありますが、枝葉柚希と風間恭輔が付き合った後、2人がキスしている描写はなく、「好き」「愛してる」といったセリフもなかったと思います。
風間恭輔のことは心から好きになったのかもしれませんが、潜在的な桐島青大への気持ちには勝っていないとも言えます。また、桐島青大のことが好きだという気持ちに蓋をしている状態で、どうにか風間恭輔のために忘れようと必死に頑張っていたと考えることもできます。
仮に枝葉柚希が風間恭輔からの告白を断っていた場合は、余命1年の病気である風間恭輔にひどいことをしてしまったと後悔していたことでしょう。そう考えると、風間恭輔と付き合うことを選び、それを全うするために過去を忘れようと頑張っていた枝葉柚希は、クズでうざいと言い切れない気もします。
病院で背を向けた理由
風間恭輔が入院していた病院に、桐島青大がやってきた際、枝葉柚希は他人のフリをしたり、背を向けたりしていました。これらのシーンでも、枝葉柚希がクズでうざいという印象があるかもしれません。
しかし、枝葉柚希が他人のフリをしたのは、支えると決めた風間恭輔のためであって、枝葉柚希も辛い思いをしていたと思います。桐島青大がお見舞いに来ている際に、枝葉柚希が背を向けていたのは、蓋をしている桐島青大への気持ちが出てこないように頑張っていたと考えることもできます。
同時に、桐島青大に対しては 申し訳ない気持ちでいっぱいで、後ろめたさに押しつぶされそうになっていたと考察できます。果たして本当に枝葉柚希はクズでうざいのでしょうか。枝葉柚希なりに辛い思いをしており、自分にできることを頑張っていた、どうするべきか模索していたと考えると、とても胸が苦しくなります…。
『君のいる町』枝葉柚希はクズでうざいか考察まとめ
『君のいる町』枝葉柚希はクズでうざいかを考察しました。結論としては、その状況で、そうするしかなかった辛さ・葛藤を考えると、枝葉柚希はクズでうざいとは言い切れないと考えます。
『君のいる町』はキツイ展開も多く描かれていますが、読者が辛いのであれば、作中のキャラである枝葉柚希はもっと辛いはずです。
辛いストーリーから目を背けずに何度も読み返していると、枝葉柚希の表情や、本心が語られていない行間から、枝葉柚希の苦悩が読み取れます。一見すると、枝葉柚希はクズでうざいように見えますが、実はそうでもないと解釈できるのではないでしょうか。
『君のいる町』の原作漫画は、全27巻が好評発売中。恋愛・人生のバイブルになる名作となっていますので、ぜひ今後も読み返していきたいですね。最後になりますが、本稿はあくまでも解釈の一例ですので、参考程度に思って頂けたら幸いです。
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