P.A.WORKS制作オリジナルアニメ『真夜中ぱんチ』類似アニメをネタバレ考察。
【推しの子】、夜のクラゲは泳げない(ヨルクラ)、よふかしのうた、吸血鬼すぐ死ぬ、喧嘩独学などの設定やストーリー内容の似てるところを掲載。
真夜中ぱんチ概要
『真夜中ぱんチ』とは、動画投稿者&ヴァンパイアのガールズストーリーを描いたオリジナルアニメ。略称は「マヨぱん」。
放送は2024年7月8日からスタート。監督は本間修さん、制作会社はP.A.WORKSで、『パリピ孔明』スタッフが制作。声優は真咲役 長谷川育美さん、りぶ役 ファイルーズあいさんなどが出演。
コミカライズ『真夜中ぱんチ』1巻(漫画:臼井ともみ)は角川コミックス・エースより2024年7月4日に発売、スピンオフ小説『真夜中ぱんチ ワケあり動画投稿者はヴァンパイア⁉』(著:日日綴郎・イラスト:ことぶきつかさ)はファンタジア文庫より2024年7月20日に発売。
類似アニメ・共通点&違い考察
【推しの子】
『真夜中ぱんチ』と『【推しの子】』の類似点は、有名人の炎上事件、エゴサでアンチコメントを見る展開など。
『真夜中ぱんチ』は3人組NewTuber・はりきりシスターズのまさ吉として活動する真咲が動画投稿者側で、炎上によって視聴者から批判され、アンチコメントを見るシーンがある。
『【推しの子】』は恋愛リアリティーショー「今からガチ恋始めます」(今ガチ)に出演していた黒川あかねが炎上して、アンチコメントを見ていた。
アンチコメントを見た後の反応は違いがあり、真咲はブチギレて、はりきりシスターズの生配信に突撃していたのに対して、黒川あかねは悲しみの涙を流している。
夜のクラゲは泳げない
『真夜中ぱんチ』と『夜のクラゲは泳げない』(ヨルクラ)の似てるところは、動画投稿・配信、メンバーを殴って炎上&脱退、新たにクリエイター活動を始めていくストーリーなど。
『真夜中ぱんチ』はNewTuberグループ・はりきりシスターズのまさ吉として活動する真咲が、メンバーを殴ってクビになり、ヴァンパイア・りぶと新しい動画を制作していく。
『夜のクラゲは泳げない』はアイドルグループ・サンフラワードールズのメンバー・橘ののかとして活動する山ノ内花音が、メンバーを殴って炎上&脱退後、新たに匿名シンガー・JELEEとして活動を始める。そこから光月まひる(イラストレーター:海月ヨル名義)、渡瀬キウイ(動画編集:竜ヶ崎ノクス名義 ※Vtuber)、高梨・キム・アヌーク・めい(作曲:木村ちゃん名義)と出会い、匿名アーティスト・JELEEとして動画投稿を始める。
『真夜中ぱんチ』はチャンネル登録100万人を目指し、『夜のクラゲは泳げない』はフォロワー10万人を目指す設定があるので、一定の数字を目指す内容も共通要素になっている。
動画投稿の性質は異なり、『真夜中ぱんチ』はNewTuber(≒YouTuber)、『夜のクラゲは泳げない』はアーティストとしての動画投稿という違いがある。真咲・りぶは動画出演、まひる・花音・キウイ・めいはイラスト・歌・編集・作曲の異なる役割から作品作りに関わる点も異なる。
暗い過去を巻き返そうとする展開やガールズストーリーの共通点はあるが、『真夜中ぱんチ』はハチャメチャ感のある勢い、『夜のクラゲは泳げない』はリアルな青春群像劇の側面が強い。『【推しの子】』同様にアンチコメントを見るシーンもある。
よふかしのうた
『真夜中ぱんチ』と『よふかしのうた』が似てるところは、人間が1人行動をしている時に、吸血鬼が目の前に突然現れるストーリーが挙げられる。
『真夜中ぱんチ』は真咲が廃病院を歩いていると、突然りぶが現れる。『よふかしのうた』は不登校の中2男子・夜守コウが自販機の前にいると、吸血鬼の少女・七草ナズナが突然現れる。ただし、りぶは真咲の夢を見た後に現実で見つけて、先にSNSでリプライしてから実際に会いに来たので、本当にいきなり現れた七草ナズナとは前触れの有無で違いがある。
人間が屋上から落下&死亡を覚悟した後、吸血鬼がキャッチして美しい夜景が映し出されている展開も類似点。『真夜中ぱんチ』は真咲が廃病院の屋上から落下中に「死んだ」「これ死んだ」と言った後、りぶが掴んでそのまま空を飛び、夜景が映し出されている。『よふかしのうた』は夜守コウがビルの屋上から落下中に「死ぬ」「死ぬじゃん!?」などと言い、七草ナズナがキャッチしてそのまま空を飛び、夜景を見せている。
ただし、真咲は自分でうっかり足を踏み外したのに対して、夜守コウは七草ナズナに突き落とされて本人に回収されている。空を飛んだ時、りぶは真咲の必要性などを伝え、七草ナズナは夜の楽しさ・自由度を教える雰囲気だったので、それぞれ意図は異なる。
りぶは真咲の血が好みで、七草ナズナも夜守コウの血を美味しいと言っていたので、対象となる人間の血を特別視している点も類似している。ただし、りぶが血を吸えるのはチャンネル登録100万人達成の報酬ですぐに吸っていないのに対して、七草ナズナは序盤から夜守コウの血を既に吸っている違いはある。
吸血に関するセリフでも同じ要素がある。りぶは「一口でいいから吸わせて」、七草ナズナは「先っぽだけ」と言い、それぞれツッコミが入っている。吸血についての表現方法が違うだけで、実質的に少しだけの意味が同じになっている。
吸血鬼すぐ死ぬ
『真夜中ぱんチ』と『吸血鬼すぐ死ぬ』の類似点は、同じ構造のキャッチコピーが挙げられる。『真夜中ぱんチ』は「動画投稿者×ヴァンパイアのハイテンション・ガールズ“再生”ストーリー」、『吸血鬼すぐ死ぬ』は「最弱吸血鬼と退治人コンビによるハイテンション即死ギャグ」。「吸血鬼キャラ×人間キャラ+ハイテンション○○」となっていることがわかる。
人間キャラが移動した先の建物内で吸血鬼(ヴァンパイア)と出会う展開でも共通要素がある。『真夜中ぱんチ』では、炎上した動画投稿者・真咲が廃病院に行って、ヴァンパイア・りぶと遭遇する。『吸血鬼すぐ死ぬ』では、吸血鬼退治人・ロナルドが城に行って吸血鬼・ドラルクをドアで挟んで出会っている。
コンビや相棒の意味でも同じ要素がある。『真夜中ぱんチ』は真咲が再スタートでりぶの力がほしいと思っていき、りぶは真咲の血がほしい気持ちがあり、チャンネル登録100万人達成で食べて良いと言われたので一緒に動画投稿を始める。『吸血鬼すぐ死ぬ』は一波乱あった後にドラルクがロナルドの事務所に突撃して、流れでコンビを組むことになる。
ドタバタ感は同じ成分だが、『真夜中ぱんチ』はガールズ“再生”ストーリーで、『吸血鬼すぐ死ぬ』はギャグに振り切った世界観になっている。
喧嘩独学 ほか
動画配信者の意味では、喧嘩動画を投稿する『喧嘩独学』、VTuberのライバーが活躍する『VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた』(ぶいでん)と類似成分がある。『真夜中ぱんチ』はNewTube、『喧嘩独学』はNewtubu(どちらもニューチューブ)、『ぶいでん』はurTubeで、YouTube配信者を題材にしている。これは令和の時代に当たり前になっている配信者が、アニメでも多く取り上げられるようになってきたと見ることもできる。
コミカルな治安の悪さ・予測不能の面白さで言えば、P.A.WORKS制作のオリジナルアニメ『アキバ冥途戦争』なども連想される。
考察まとめ
『真夜中ぱんチ』は他作品との類似点を感じるアニメで、特に『夜のクラゲは泳げない』『よふかしのうた』は動画投稿・吸血鬼の大きなジャンルだけでなく、具体的な設定も一部被っている。これは新鮮さに欠けるという感想を生む可能性もあるが、同じ要素が好きなアニメファンにとっては嬉しい要因となりうる。
最初に他作品と似てる要素を入れて親近感を出し、そこから完全オリジナル要素が面白くなっていく作品もあるので、『真夜中ぱんチ』も化ける可能性がある。P.A.WORKS制作のオリジナルアニメなので、安定した作画と面白いストーリーに期待できる作品であり、尖った世界観でアニメ界に大きな爪痕を残す雰囲気も出ている。
炎上した過去を持つNewTuber・真咲&血を吸うために協力したヴァンパイア・りぶの動画投稿ストーリー、各キャラの関係性などは今後どうなるのか。アニメ最終回まで是非視聴継続していきたい。
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