アニメ『もめんたりー・リリィ』1話感想!作画カロリーの高い映像美が炸裂!
激しい髪の動き、作画と背景の関係、霞れんげの記憶喪失理由と正体、ソシャゲを思わせる要素、割烹料理シーン、主人公設定やキャラクターの特徴、視聴継続の分岐点などをネタバレ込みで考察!
『もめんたりー・リリィ』1話感想
デスボイス曲・英語字幕
オリジナルアニメ『もめんたりー・リリィ』1話「ひとりぼっちの後のさんまのひつまぶし」は、OP映像から始まり、近未来を感じるサウンドが流れてきたと思った次の瞬間、激しいデスボイスが炸裂!
冒頭からデスボイス曲で衝撃を与える展開は、オリジナルアニメ『ゾンビランドサガ』1話で源さくらが車にはねられた際に挿入歌「Temptation from the Hell」が流れ、OP映像に突入していたシーンを思い出しました!
『もめんたりー・リリィ』OP曲はガールズラウドロックバンド「花冷え。」が歌う「おいしいサバイバー」で、歌詞は日本語なのに英語の字幕が付いていました。海外を意識しているのかもしれませんが、作画カロリーの高い映像も相まってカオスな雰囲気が出ていたと思います!
作画背景
『もめんたりー・リリィ』はキャラ作画や背景が美麗で、CGを含めて解像度の高いアニメ映像になっていました。GoHands制作だとすぐに分かる作画、独特のカメラアングルも印象的でした。
特に髪の動きを強調させている雰囲気があり、毛束を作った立体感、ツヤを出した髪のしなやかさ、透明感などが際立っていたと思います。太陽光で虹色が出ている場面、飲み物から湯気が出ている描写などの細かい演出も見応えがありました。
一方で、キャラと背景が浮いて見えてしまい、動きの激しいカメラワークで画面酔いする可能性があり、映像のインパクトがあまりにも強すぎてストーリーが頭に入って来ない危険性もあります。1話視聴後は髪の動きが凄い!とにかく動く!という感想を持ち、ストーリー性よりも映像面のアピールを優先させたのかなと感じました。
GoHandsが制作したアニメ『好きな子がめがねを忘れた』『デキる猫は今日も憂鬱』は原作漫画がありましたが、『もめんたりー・リリィ』はGoHands原案・原作のオリジナルアニメなので、こだわりの映像を自由に大放出して、見せ場も作っていたと考察できます。
ソシャゲ感
『もめんたりー・リリィ』はオリジナルアニメなのにソシャゲをアニメ化したような雰囲気を感じました。その理由として、深く世界観が明かされることなく進むストーリーが挙げられます。
美少女キャラ×ハードな世界観のソシャゲをプレイしている前提のような感覚があり、ストーリーが断片的だった印象です。謎が多いのは、1話の掴みとしての伏線張りにも受け取れますが、意味不明で離脱する視聴者が出そうで怖いところです。
咲耶あやめが状況を説明しようとした際には、敵のワイルドハントが現れて説明が割愛されたので、詳しい世界観がわからないまま1話は終わっています。このシーンは霞れんげに記憶がない話などを入れるために説明が省略されたと考察できますが、その引きを作ったメリットと引き換えに、世界観がわからない・詰め込み過ぎ感というデメリットが出ていた気もします。
また、アンドバリと呼ばれる武器が敵からドロップされる設定もゲームっぽい印象でした。記憶喪失者の霞れんげは例外的で、気づくと武器を持っていたと明かしていました。霞れんげの武器は自立飛行可能になっていて、皆とは異なる性質があるようにも感じました。
そして、キャラが少し動くだけで髪や衣装が大きく揺れるシーンは、ソシャゲのストーリー画面を見ているような感覚もありました。開けた場所で風が当たっている時に髪が激しく動くのは自然な状況ですが、会話シーンで私が今喋ってます!と言わんばかりに髪や衣装が動く様子は少し不自然だったようにも思えます。
ただし、省エネ作画や淡白なアニメも見受けられる中で、動きの激しい『もめんたりー・リリィ』は視覚的に楽しめる魅力があるので、1話切りは避けてもう少し様子を見て視聴継続するか判断しても良さそうです。個人的には最終回まで追いかけようと思っています!
割烹料理
『もめんたりー・リリィ』は割烹料理シーンがあり、1話はさんまのかば焼き缶を使ったひつまぶし、フリーズドライの根菜を使った秋刀魚きんぴらを作っています。サバイバル飯の手軽さ、キャラのデフォルメ化、YouTuberが良く使う効果音も印象に残りました!
YouTubeで公開されている「もめリリクッキング」第1回では、料理監修者のクッキングエンターテイナー・大西哲也さん、河津ゆり役 阿部菜摘子さん、霞れんげ役 村上まなつさんが出演し、秋刀魚きんぴらを作っていたので、アニメと連動しているところがグッときます!
料理作画が良いアニメは神アニメが多く、飯テロシーンは大歓迎なのですが、アニメ2話のサブタイトルは「みんなと一緒のサバ缶のイタリア風トマト鍋」となっているので、サブタイトルだけだと料理アニメのようになっているのが少し気掛かりです。ここまでくるとメインテーマがブレてしまい、作画同様に配分が大きすぎてバランスが取れず、結局何のアニメなのか混乱を招く危険性もあります。
ただし、霞れんげはこれまで1人で彷徨っており、みんなと食べることを嬉しく感じている様子だったので、割烹することが本筋にも関係しているという見方もできます。あるいは、2話以降でシリアスな鬱展開がありそうなので、料理シーンで和らげる要素にしている可能性も考えられます。
主人公
『もめんたりー・リリィ』主人公はクレジットの一番上にいる河津ゆりだと思いますが、1話視聴時点だと霞れんげのような印象を与えています。
一人で寂しい思いをしてきた霞れんげが河津ゆり達と出会って、仲間のあたたかさを感じていく話に解釈でき、ラストに記憶喪失だと明かして引きを作るところなども霞れんげ視点のアニメに受け取れました。主人公が誰なのか1話本編から判断し難い脚本は、賛否が分かれそうです。
終末世界
『もめんたりー・リリィ』は人を消す機械の敵・ワイルドハントによって、世界から人がほとんど居なくなっているので、終末世界の要素があります。ただし、電気や水道が通っていて、小型作業ロボットがお手入れをしている様子です。建物はキレイに残り、信号も動いていました。
そうすると、何の目的でワイルドハントは人を消しているのか、世界を破壊したいわけではないのか?と疑問が生じます。黒幕となる人物が機械を使って世界を支配したいケース、AIの暴走で人を消している可能性なども考えられます。
河津ゆり達はワイルドハントと戦っていますが、何のために戦っているのか1話時点では不明でした。人を守るためだと解釈できるとはいえ、存在意義・活動目的が明かされていないので、詳細が気になるところです。
河津ゆりが霞れんげにずっと一緒にいようと言ったセリフ、居なくなったら寂しいから友達になれないと言うシーンなどは死亡フラグにも受け取れますが、それだけいつ死亡してもおかしくない過酷な環境にあることが伺えました。
霞れんげ記憶喪失理由
霞れんげは空がおかしくなって機械が人を消したことや割烹のことはわかる様子ですが、自立飛行できる武器を持っていることや詳しい過去の記憶は失われていました。河津ゆり達が敵と戦おうとした際には、霞れんげが単独で倒すシーンもあり、圧倒的強さを見せつけていました。
霞れんげが記憶喪失になった理由は、機械が霞れんげの大切な人を消して強いショックを受けたケース、世界の秘密を知って記憶を抹消されたパターン、霞れんげの正体はAIのアンドロイドで起動以前の記憶が無いなど様々な可能性があります。
家族を失っていた場合、河津ゆり達と割烹した際に涙を流していたのは、家族と一緒に食べていたご飯のあたたかさを無意識レベルで感じ取った結果という考察もできます。霞れんげがアンドロイドの場合、ワイルドハント側に対抗するために作られたか、元々はワイルドハント側で外部要素によって阻止する側に回ったパターンなども考えられます。
キャラ設定
『もめんたりー・リリィ』登場キャラの特徴を簡単に振り返ると、河津ゆり(CV.阿部菜摘子)は明るいリーダーで、金髪の動きが凄まじいことになっていました。高台寺えりか(CV.桜木つぐみ)は年長者のお姉ちゃんキャラで、とある部分のスライム的な動きもインパクト大でした。
薄墨ひなげし(CV.若山詩音)はソシャゲ好きで、情報係っぽい印象もありました。「やってやんよ」などのセリフ、ツッコミを入れるシーンも印象に残りました。霞れんげ(CV.村上まなつ)は他キャラとは違って記憶がなく、割烹シーンのきっかけになったことや戦闘能力の高さなどが特徴的。
吉野さざんか(CV.久野美咲)はピンク髪ツインテールやギャルらしいところがグッときました。久野美咲さんは初のギャル役というのも新鮮でした。咲耶あやめ(CV.島袋美由利)はクールな性格で、ギルティと言うセリフ、委員長と呼ばれるシーンなどが描かれていました。
高台寺えりかの一人称・お姉ちゃん、咲耶あやめのギルティ発言などは複数回出てきたので、キャラの特徴的なところを強調している印象でした。作画カロリーの高い映像・戦闘・割烹など情報量が多いので、キャラ付けはなるべくシンプルにして、このキャラはこんな人・これだけは1話で覚えて欲しいという部分を強く押し出していた気もします。
聖地・協力会社
『もめんたりー・リリィ』は聖地要素があり、たまロケーションサービス、所沢航空記念公園、新宿区役所前カプセルホテルが協力。渋谷などもモデルになっています。聖地巡礼ができるアニメは、キャラがいた場所に行くことができるので、人気の理由に繋がる可能性があります。
視聴継続の分岐点
機械が人を消す世界で美少女キャラが戦う設定、プチ百合要素、飯テロシーン、映像の激しい動きに抵抗がない場合、『もめんたりー・リリィ』を視聴継続してもいいと思います。
一方で、独特のカメラワークで画面酔いをした場合、どんな話なのか掴めずに気分が乗らない場合などは視聴継続は難しいかもしれません。ただし、ストーリーはまだ謎が多く、もう少し様子を見るのもおすすめです。
1話感想まとめ
アニメ『もめんたりー・リリィ』1話は髪の動き・カメラワークを含めて、作画カロリーの高い映像になっていました。ストーリー性やキャラの掘り下げより、視覚的な映像美に主眼を置いていた印象でした。
美少女キャラ×ハードな世界観はソシャゲ感があり、CGを使用した戦闘シーンは近未来を感じる映像になっていたと思います。割烹の飯テロシーンは作る過程や食べる様子が見ていて癒されました。
敵のワイルドハントが人を消す理由、霞れんげが記憶喪失になった背景などは謎を残していますが、1話は伏線張りという雰囲気でした。好き嫌いが分かれる内容だったとはいえ、2話以降の展開にも是非注目していきたいところです!
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