『もめんたりー・リリィ』4話感想!百合シーン・ストーリー法則性の弊害考察

『もめんたりー・リリィ』4話感想!百合シーン・ストーリー法則性の弊害考察

『もめんたりー・リリィ』4話感想!咲耶あやめ&吉野さざんかの過去が明かされ、百合シーンも登場!

同じセリフの繰り返し・ストーリー構成要素の法則性と弊害もネタバレ込みで考察。批判的な内容も一部含まれますので、閲覧注意でお願いします。

『もめんたりー・リリィ』4話感想

お馴染みのセリフ

アニメ『もめんたりー・リリィ』4話冒頭では、「この日忘れられない一生の友達と出会った」と言っているお馴染みのセリフがありました。1話ラスト、2話冒頭・ラスト、3話冒頭でも同じようなセリフが出ていますが、実際に機能していたのは霞れんげが河津ゆり達と出会った1話ぐらいで、他は直接的な関連性がありません。

過去回想でキャラ同士が出会った頃を振り返ること、死亡した河津ゆりの存在は大きかったと実感する意味で、間接的に関連を持たせていると考察できますが、あまりピンと来ないのが気になります。

今後誰かの死亡や離れ離れになる展開が控えており、一緒に過ごしている日々が尊いものだったという意味で後から効いてくる可能性もありますが、お決まりのセリフを配置している印象が拭えませんでした。風情のある言い回しと解釈するにしても、伝わりにくい要素になっている気がします。

バフの意味・パワーワード

吉野さざんかが怖い話としてバーベキューの話をして、あまり怖くない雰囲気になった後、霞れんげが怖かったと言ったところで、薄墨ひなげしはバフ入れすぎと言っていました。

バフはゲームでステータス上昇などを意味する言葉なので、このシーンでは怖がりすぎ・盛りすぎなどの意味で使用したと解釈できますが、少しわかりにくいと感じました。バフという言葉にこだわりすぎて、自然な流れを阻害する要因になっていると思います。

咲耶あやめはギルティ、高台寺えりかはお姉ちゃんの知恵袋と毎回言っており、セリフ自体は可愛いのですが、パワーワードすぎて前後の内容をかき消すような雰囲気も感じます。脈絡のない話+パワーワードによって、結局何を伝えたいシーンなのかわかりにくいのが気になります。

吉野さざんかはことわざ・四文字熟語を言うキャラで、4話は「泰然自若」(意味:落ち着いて動じない)と言っていました。同じ口癖ではなく言葉の内容が違うという意味ではバリエーションがありますが、何らかの四文字熟語を言うという要素が同じなので、やや単調なアニメになっている気がします。

咲耶あやめ&吉野さざんか過去

4話では、咲耶あやめ&吉野さざんかの過去が掘り下げられ、2人は同じ学校だったことが明かされています。咲耶あやめは小学生時代に友達が多い人気者で、スポーツもできる少女でした。中学生になると1人で本を読むようになり、友達も減っていました。

吉野さざんかは話すのが苦手で友達もいませんでしたが、咲耶あやめに追い付きたい気持ちで友達ができて、アウトドアにもハマっています。陽キャ・陰キャが逆方向に変わっていく2人の対比が印象的でした!

咲耶あやめは委員長ではないのに、吉野さざんかが委員長と呼んでいる理由は、頭が良いことをリスペクトする意味だったことも判明しています。2人の過去が明かされたタイミングで、委員長の由来も教えてくれるのは引き込まれる要素になっていたと思います!

百合シーン

咲耶あやめが小型機械のラットを雪から出すために外に出ていった後、吉野さざんかが咲耶あやめを探しに行くシーンもありました。咲耶あやめはラットを救出して力尽きそうになりますが、吉野さざんかが助けています。

外にいる咲耶あやめは髪の動きが激しかったので、同じく髪の動きが激しかった河津ゆりのように、死亡しないか心配になるシーンでした。

吉野さざんかが咲耶あやめを後ろから抱きしめる場面などは百合要素があり、同じ学校だった2人の尊い関係が出ていたと思います。咲耶あやめは新リーダーとなって、泣くわけにはいかないと吉野さざんかに明かすところもグッときました。

死者発見

学校で3人の死者が見つかるシーンも描かれていました。これまでは人間がワイルドハントに消される雰囲気でしたが、ワイルドハントに消されなくても死亡することを新要素で入れたと考察できます。

死体放置で学校にいること、和やかな雰囲気で割烹していることなどは違和感もありましたが、多くの人々がいなくなっているこの世界では死者発見も珍しくない光景だと解釈できそうです。

割烹シーン

4話の割烹シーンでは、濃厚コンビーフ味噌ラーメンを作っています。調理の際にグツグ~ツと延々と言っていたのがノイズになっていた過去回と違い、短い「グツグツ」に変化していたのは良かった点だと思いました。

学校に到着してすぐに調理実習室に行っていたのは、割烹シーンに繋げるための展開と解釈でき、オリジナルアニメなのに先の展開が読めてしまいましたね…。

「いただきまーす!」と言った後は食べるシーンもなく、翌日に切り替わっています。作って終わり、食事シーンがないのは相変わらずのデフォルト展開でした。割烹は調理・料理の意味とはいえ、食べるために作ると思うので、食事シーンなし!?とツッコミ要素はあると思います。

ラーメンを作ったのは、雪が降る寒い日だから温かいものにしたとも解釈できますが、作る料理と本編の因果関係がないのも気になります。旅をしていてコンビーフを手に入れたから、コンビーフを使ったラーメンを作るならまだ繋がりがあります。しかし、ランダムにサバイバル飯が出てくる印象が強いので、話のブツ切り感も引っ掛かりますね…。

意味深な伏線

霞れんげが河津ゆりを思い出すシーンは、1話で出会う前から一緒に行動していたことを匂わせています。アンドバリを召喚する結晶体が光って、力が抜けたと言っているシーンも意味深でした。

河津ゆりを思い出すシーンは3話ラストの引きと同じレベルで、4話でその謎は明かされず、結局引っ張ったままです。4話ラストは結晶体が光る新描写を使って、霞れんげの正体や過去が気になるような引きを作りましたが、5話でも全貌は明かされないことが予想されます…。

1つ引きを作ったなら次回でそれを明かして、新たな伏線張り・新しい引きを作るというように段階的なワクワク感は無く、1つのことをずっと引っ張っているので、単調な印象を強める要因となっている気がします。

ストーリー構成要素の法則性

『もめんたりー・リリィ』4話までに共通するストーリー構成要素は、「この日忘れられない一生の友達と出会った」のセリフ、ギルティ・バフなどの口癖、割烹シーンなどがあります。毎回新しい展開はありますが、悪い意味で同じ要素を繰り返しすぎている気がします。

繋がりの無い話も多く、1回見ただけでは何の話なのか頭に残りにくいので、同じ要素に使う尺を削ってでも繋がりを持たせた方が良いように思えてきます…。

同じ要素の繰り返しが良いと思えている場合は問題ありませんが、くどいと感じている場合はいつもの出た!とネタ的に解釈するか、同じ要素は自主的にミュートして新展開に集中するなどの視点で見るのも良いかもしれません。

4話感想まとめ

アニメ『もめんたりー・リリィ』4話は吉野さざんか&咲耶あやめの過去が明かされ、百合シーンも描かれていました。陽キャ・陰キャが逆方向になっても、お互いに通じ合っている雰囲気が尊かったです!

一部で繋がりのない要素・単調な部分もありますが、4話までにキャラの掘り下げが進んできています。次回5話は高台寺えりか&薄墨ひなげしの掘り下げも見れそうなので、どんな話になるのか楽しみにしたいところです!

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