『桜色の夢を見て、僕は君に恋をする』レビュー。伏線・精霊&マルチエンディング考察

桜色の夢を見て、僕は君に恋をする

『桜色の夢を見て、僕は君に恋をする』をプレイした感想、伏線や精霊の存在、マルチエンディングなどの考察を掲載。

※ゲーム画面はすべてSteam版で、発売元の許諾を得て掲載しています。ただし、感想・考察部分はあくまでも解釈の一例です。一部は具体的エピソードやネタバレが含まれています。

目次

『桜色の夢を見て、僕は君に恋をする』発売!

桜色の夢を見て、僕は君に恋をする

Switch・Steam向けビジュアルノベルゲーム『桜色の夢を見て、僕は君に恋をする』が2025年7月31日に発売!

心に傷を負った主人公が成長する過程、幻想と現実や過去と現在の対比、攻略ヒロインの可愛さ、マルチエンディング方式の結末など様々な魅力があるので要チェック!

ゲーム感想・考察

優しい世界観

『桜色の夢を見て、僕は君に恋をする』の主人公は、母親が病気で亡くなったのは自分のせいだと思い込んでおり、心に傷を負っていました。仕事を優先する父親には不満を抱いている状態でした。

そこから精霊のチェリーやウォーティ、幼馴染の高井由里たちが優しく寄り添うことで、元気を取り戻していきます。各キャラは主人公の幸せを願い、思いやりを感じる場面も多く描かれるため、あたたかい気持ちになることができます。イラストが綺麗で、BGMが優しくて心地良いのも魅力的です。

勉強や仕事で疲れた時、トラウマを抱えるような辛い出来事があった時、絶望的な心境で逃げ出したい時などに本ゲームをプレイすると、心が穏やかになって癒やされると思います。

キャラクターの魅力

桜色の夢を見て、僕は君に恋をする

チェリー(CV.来栖りん)は主人公が母親と植えた桜の木から登場した精霊。髪を結っているロングヘアーやリボン、世話焼きで純粋な性格も推せます。料理を振る舞うシーンや買い物に出掛ける展開、主人公を心配する様子は母親のようで、それが後ほど繋がってきます。

主人公が元気になるのは望ましいことですが、それに比例してチェリーの存在について不穏な要素が出ていくのも特徴的だと感じました。気になるシーンだと、他にはチェリーが学園祭で歌うときに表情が硬いように見えた場面が意味深でした。これは一般大衆ではなく、主人公だけのために顕現した存在だと仮定すれば腑に落ちる気もします。

桜色の夢を見て、僕は君に恋をする

ウォーティ(CV.水野朔)はクールな雰囲気で登場後、徐々に可愛い性格やギャグ要員な一面が出ていきます。精霊に本来不要な食事、動画配信、花札などの人間文化にも興味があります。過去エピソードを踏まえると、恋愛的な意味でも人間の主人公を理解したいことの表れだと考察できそうです。

チェリーの監視をしながら何かと突っ込んでくるのは、嫉妬心が関係していると思いますが、基本的に一歩引いたところから見守っています。ゲーム全体としても、激しいヒロインレースのような恋愛バトル展開ではなく、主人公の望む未来を周囲が優しく見守るのも特徴的だと感じました。

桜色の夢を見て、僕は君に恋をする

高井由里(CV.内山悠里菜)は主人公の幼馴染で、笑顔・照れ顔・ほっぺをぷっくりとした怒り顔など様々な表情を見せてくれます。再会時に母親の話を出さない、別シーンでチェリーのことを話さないなど、空気を読むのが上手だと感じました。

昔は泣き虫で今は頼れる存在に成長している変化と、主人公をお気に入りの場所に連れてくるシーンなどから変わらない恋心を抱いていたことの対比も印象に残りました。

学校の教師&主人公が住む自宅の大家・伊奈祥子(CV.春咲暖)は公私共に主人公を支える雰囲気が好感です。クラスメイトの折原結愛(CV.村上まなつ)と草薙隼人(CV.波多野翔)もさりげなくサポートをするので、主人公が立ち直る環境はバッチリだと思いながらプレイしていました。

中の人繋がり

桜色の夢を見て、僕は君に恋をする

チェリー(CV.来栖りん)が歌ってアイドルのようになる展開は来栖りんさんが『ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ』安養寺姫芽役も演じていること、作中で出てくる「凛として立っている桜の木」の表現は来栖りんさんの名前を思わず連想しました。

高井由里(CV.内山悠里菜)&折原結愛(CV.村上まなつ)の絡みは、担当キャストが声優アーティストユニット「DIALOGUE+」(ダイアローグ)メンバー同士ということもあって、中の人繋がりを感じました!

アニメ・ラノベで馴染みのある展開

『桜色の夢を見て、僕は君に恋をする』

ヒロインと同居生活、ヒロインの転入で一緒の学校に通うことになる流れなどは、ラブコメ作品のアニメやラノベで馴染みのある展開になっています。

木を植えることは思い出を植えることと一緒、土の布団をかけるなど、ラノベのような比喩的表現も楽しめます。思い出は過去の記憶、布団は眠りに関係する言葉なので、チェリーの登場に結び付くところもグッときます。

精霊の存在

桜色の夢を見て、僕は君に恋をする

『桜色の夢を見て、僕は君に恋をする』は現実世界に非現実的な精霊キャラが登場するので、ファンタジー要素があります。ゲームをプレイしていると、精霊の正体は何者か、魂と媒体の関係、なぜ実体化できるのか?などの謎がいくつか出てくるので、先が気になってどんどん進めていきました。

チェリーは人の想いによって顕現した3位階精霊で、融合した人の魂に未練があると顕現できるので、母親と関係がありそうだと思いながらプレイしていました。逆に魂の未練が無くなるほどに主人公が成長すると、チェリーはどうなるのか…といった不安もありました。

ウォーティは精霊王に許しをもらえれば自由に顕現できる2位階精霊で、事情があって実体化しています。主人公は過去の記憶を辿ることになり、思い出した時のエピソードもグッときました。

上級精霊はそれぞれに名前がある中でチェリーの名前がなかったのは、主人公のために顕現した存在=主人公にチェリーと名前をつけてもらう運命に引き寄せられたのかな?と感じました。他にも色々と考察できるポイントがあるので、考察好きの2次元ファンにもおすすめの作品です。

選択肢・マルチエンディング

桜色の夢を見て、僕は君に恋をする
桜色の夢を見て、僕は君に恋をする

選択肢はどれを選んでも同じ展開になるケース、マルチエンディングに影響があるものが混ざっています。攻略上は別のヒロインと結ばれるために、あえて目の前にいるヒロインが喜びそうな選択肢を選ばないことも必要だと感じました。

チェリーエンドは、一波乱あってどうなるのかと思いましたが、感動的な結末になっています。チェリーのルートに入っているはずなのに、本当にハッピーエンドになるのか?とハラハラさせられる展開もありました。高井由里は自然に絡みが減っていき、ウォーティは切ないセリフが胸に刺さりました…。

ウォーティエンドは、自己犠牲が報われて良かったと思える終わり方でした。過去エピソードを知ると、主人公とチェリーの会話に割って入るシーン、自分が優れていることでマウントを取るシーンの意味がわかるので、伏線回収の面でも楽しめます。

高井由里エンドは、ファンタジー寄りの精霊エンドとは違って、現実的に人間の幼馴染と結ばれる点が特徴的だと感じました。主人公の母親からもらった髪留めが飛んでいくシーンは、母親の象徴が消えたことで、主人公の自立と成長、チェリーの結末を思わせる描写だったと考察できそうです。

ウォーティ&由里エンドの場合は、チェリーとの関係で切ないシーンもあります。ただし、亡くなった母親は主人公が自分の道を歩み始めることを望んでいたので、それが叶ったことでチェリーは役割を果たしたという解釈もできます。どのエンディングでも攻略ヒロインと結ばれる嬉しさに加えて、別のヒロインを選ばなかった辛さを感じるシーンが入っているため、人生は選択の上に成り立っていることも感じました。

1人目の攻略が終わった後は、最初からプレイするか、ホーム画面のセーブデータやEXTRAの各エピソードからやり直す方法もあるので、全キャラを攻略して、その違いを見る楽しみ方もできます!

集める楽しさ

ゲームイラストの獲得・エピソードの収集完了などもあるので、コレクションをする楽しさ、小さな達成感を重ねる喜びも味わえます。集めたものはホーム画面のEXTRAから振り返ることができます。

ビジュアルノベルゲーム『桜色の夢を見て、僕は君に恋をする』は他にも多数の魅力が詰まった作品なので、是非プレイされることをおすすめします!

『桜色の夢を見て、僕は君に恋をする』公式サイト

『桜色の夢を見て、僕は君に恋をする』Steam版ストアページ

『桜色の夢を見て、僕は君に恋をする』Switch版ストアページ

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