『SAND LAND』映画&シリーズ版アニメ違い、新キャラ羽の有無…?Project発表会レポート

『SAND LAND』映画&シリーズ版アニメ違い、新キャラ羽の有無…?Project発表会レポート

アニメ監督やゲームプロデューサーが登壇した「SAND LAND Project 発表会」イベントレポートをお届け。

『SAND LAND』映画&シリーズ版アニメの違い、新キャラ「アン」「ムニエル」羽の有無、『サンドランド』と『フォレストランド』は対の関係、作品の魅力、名場面シーンなどに言及。

キャラクターの広がりが、アン役 小松未可子さん&ムニエル役 村瀬歩さんの力によって生まれたと声優陣を絶賛する場面も。

「SAND LAND Project 発表会」開催!

SAND LAND Project発表会

『SAND LAND』は、2000年に『週刊少年ジャンプ』で短期集中連載された鳥山明氏による作品。単行本は全1巻で完結しているが、圧倒的完成度を誇る名作と称され、全世界で人気を博している。本作を世界中に発信し、さまざまなコンテンツを生み出していくために「SAND LAND Project」は2022年に始動。

2023年8月に劇場アニメが上映、2024年3月20日より新作アニメシリーズ『SAND LAND: THE SERIES』が配信、2024年4月25日にはゲーム『SAND LAND』の発売が控えており、様々な展開へと広がりを見せている。

2024年3月4日開催「SAND LAND Project 発表会」では、『SAND LAND』宣伝隊長・お笑い芸人「錦鯉」長谷川雅紀さん&渡辺隆さん、映画『SAND LAND』&新作アニメシリーズで監督を務める横嶋俊久監督、鳥山明作品のアニメ化&ゲーム化などの総合的なプロデュースに関わるカプセルコーポレーション・トーキョー伊能昭夫さん、バンダイナムコエンターテインメント南敬洙ゲームプロデューサー、『SAND LAND』主人公・ベルゼブブ(着ぐるみ)が登壇。

「SAND LAND Project」の最新情報として、『SAND LAND』のその先を描いた新展開『フォレストランド』、新キャラ・アン(CV.小松未可子)&ムニエル(CV.村瀬歩)の登場も発表された。

イベントレポート

出演者登壇

SAND LAND Project発表会

はじめに「SAND LAND Project」特別映像の公開、MCよりプロジェクトの説明が行われ、ベルゼブブ(着ぐるみ)、横嶋監督、伊能さん、南ゲームPが登場して挨拶を行った。続けて、錦鯉の長谷川さん&渡辺さんが登壇。長谷川さんがお馴染みの挨拶「こーんにーちはー!」を披露し、会場は大きな拍手に包まれた。

ベルゼブブとお揃いのカラーの、ピンク色のスーツと紫のマント姿で登場した長谷川さん。それを見た渡辺さんは「ベルゼブブより妖怪っぽいですね。(長谷川さんとベルゼブブの着ぐるみに)挟まれた僕が一番気まずいです」と会場の笑いを誘った。

「SAND LAND Project」特別映像
https://www.youtube.com/watch?v=qTcppOZ75XU

作品魅力

SAND LAND Project発表会

カプセルコーポレーション・トーキョー伊能昭夫さん

続いて、作品概要が紹介された後、作品について伊能さんは「一巻でとても完成度が高く、書き込みもすべてご本人が描かれています。このときの集中力は凄かったとご本人も仰ってましたし、先生ご自身が最も愛する作品です。本当に凄まじい完成度の作品ですね」と明かす。

錦鯉の長谷川さんは「『SAND LAND』ではスクリーントーンを使ったりしていて。よほど魂込めて描かれていた作品なんだなと思いました。僕は鳥山先生が大好きで、『Dr.スランプ』をジャンプで読んでいた世代ですから」と、興奮気味にコメント。

改めて鳥山氏の作品の魅力について、長谷川さんは「圧倒的な、天才的な絵のうまさ、そして、ワクワクするところですね。僕も単行本を買ってましたし、毎週楽しみにジャンプを読んでいました」、渡辺さんは「出てくるおじいちゃんが全部カッコいいですよね。ああいうおじいちゃんになりたいです」とそれぞれ熱く語った。

Project軌跡

「SAND LAND Project」の軌跡を紹介するコーナーでは、「2022年12月に発表された『SAND LAND Project』。2023年7月にサンディエゴコミコンでワールドプレミア試写が行われました。8月に国内で映画が公開されまして、今春に新作アニメシリーズがディズニープラスで世界独占配信となります」とMCが説明。

横嶋監督は「SDCCの会場は満員で、見渡す限りアメリカのファンの方々がいらっしゃって。終わった後は、すごく『良かった、良かった』と言ってもらえました。鳥山先生の作品ということで、待ち望んでくれている人がこれだけ世界中にいるんだというのを実感しました」と語った。

名場面シーン

SAND LAND Project発表会

「錦鯉」長谷川雅紀さん&渡辺隆さん

実際に映画を観た錦鯉が“是非ここ注目です!”といった『SAND LAND』名場面を紹介するコーナーでは、錦鯉が選ぶ「胸熱なシーン」から始まる。選ばれたシーンは「ラオが過去の自分の過ちに気付くシーン」。選んだ理由について、長谷川さんは「葛藤というか、苦悩が描かれるシーンなんですけれども、過去に自分が正しいと思っていたことが、時が流れて違ったんだなと思うことがあるじゃないですか。僕は昔、自分が売れないのは人のせいだと思っていました。事務所、マネージャー、相方、お客さんとか、とにかく何でも人のせいにしていたんです。でも時が経って、努力を何もしていなかった自分が悪いんだなと分かりました」と語り、これに対して渡辺さんが「その通りだな」と深く頷き、会場の笑いを誘った。

続いて、錦鯉が選ぶ「SAND LAND ベストシーン」では「ベルゼブブがサタンに、泉を探す旅に出ることの許しを請うシーン」を紹介。選んだ理由について、長谷川さんは再び自分の過去を例に挙げて「ベルゼブブはお父さん(サタン)から条件を出されるんですよね。僕がものすごくお金がない頃、僕は人にお金を借りていたんですよ。そうしたら、貸してくれる相手が『この場所に何時に来てくれ』と条件を出してきたんですね。正直『面倒くさいなー』と思いながら、わざわざ45分間かけてその場所まで行きました。それと重なりましたね」と話すと、渡辺さんからすかさず「重なんないよ!重ねちゃいけねえんだよ」と厳しいツッコミが入った。

映画&シリーズ版違い

SAND LAND Project発表会

横嶋俊久監督

新作アニメシリーズ『SAND LAND: THE SERIES(サンドランド: ザ・シリーズ)』では、1話~6話が『悪魔の王子編』となり、このシリーズでしか見られない情報をプラスされた内容を配信。

映画版とシリーズ版の違いについて、横嶋監督は「映画版では泣く泣くカットせざるを得ないところがあったのですが、改めてシリーズ化ということで、盛りに盛ってみました(笑)。僕も鳥山先生の描く魔物たちが大好きなので、彼らの活躍の場を増やしたかったんです。シーフがお供に選ばれる場面も丁寧に描きたかったですし、あとはラオの奥さんとか、アレとアポ(父親)の話とかも入れ込んだりしながら。アクションシーンも含めて、期待していただけたらと思っています」とコメントし、こだわりの詰まった作品になっていることを明かした。

フォレストランド

SAND LAND

続いて、プロジェクトに関する新情報の発表として、ティザー映像が公開。映像では『SAND LAND』のその先が描かれた『フォレストランド』の制作が発表。『フォレストランド』は今後公開されるアニメやゲームにて展開される。

このプロジェクトの背景について、伊能さんは「『SAND LAND』は一巻で完結するコミックスなのですが、今回、アニメやゲームなどさまざまなプロジェクトを進めていく中で、もっと多くの場所やストーリーを広げていきたいという話になったので、鳥山先生にご協力をいただき、『SAND LAND』の先にある王国『フォレストランド』という新たな物語を展開していくことになりました。今日初めて発表させていただきましたが、新キャラクターも登場しますので楽しみにしていてください」と説明。

また、『フォレストランド』の鳥山氏による描き下ろしイラストも公開。伊能さんは「これは2000年の作品なので、20年以上の時を経ての新展開となります。新キャラもかなり目立っていますが、あの3人が相変わらず冒険をするんだろうなという感じがしますね」と感慨深げに語った。

「SAND LAND Project」ティザー映像
https://www.youtube.com/watch?v=c0j3pM81gyw

キャラクター

SAND LAND Project発表会

バンダイナムコエンターテインメント南敬洙ゲームプロデューサー

鳥山氏からの特別コメントが紹介された後、『フォレストランド』の詳細について、南ゲームPから「天使のキャラクターが『ムニエル』、女性のキャラクターが『アン』といいます。先ほどのイラストとちょっと違うところがあるのですが、こちらのイラストのムニエルには羽がないんですね。羽がある、羽がないというのが今後の物語にどう関わってくるか、そこも楽しみにしていただけたらと思います。また『フォレストランド』で描かれるのは、ベルゼブブたちの冒険の物語となります。もちろんゲームにも『フォレストランド』の物語は入っていますし、アニメでもストーリーが展開していくので、その違いに注目していただき、両方楽しんでもらえると嬉しいです」と紹介。

新作アニメシリーズの制作に携わる横嶋監督は「新しく鳥山先生が描かれたキャラクターたちが、どのように物語に絡んでくるかというところは楽しみにしていてほしいですね」とコメント。南ゲームPは「『サンドランド』と『フォレストランド』は対になっていますし、ベルゼブブの“悪魔”とムニエルの“天使”も対になっています。そこがどう関わってくるのか、楽しみにしていてください」と明かした。

声優陣

アン役 小松未可子さん&ムニエル役 村瀬歩さんのコメントが紹介された後、横嶋監督は「本当に、小松さんも村瀬さんも、色々とアイデアを持ってきていただいて。キャラクターの広がりがお二人の力によって生まれ、すごく良かったなと思います。声優さんは皆さん本当にプロフェッショナルで、その場で色々と考えてくださり、何かあればチューニングもしてくれて。台詞自体がすでに決まっている中で、本当にたくさん尽力いただきました」と、収録を振り返りながら語った。

声優さんたちの仕事に対する真摯な姿勢について、長谷川さんは「僕、現場にアイデアなんて持って行ったことないですよ!」と驚いた表情を見せ、相方の渡辺さんを苦笑させた。

アニメ配信&ゲーム発売

続いて、新作アニメシリーズ『SAND LAND: THE SERIES』とゲーム『SAND LAND』の最新情報を発表。横嶋監督は「『SAND LAND: THE SERIES』は、いよいよ3月20日よりディズニープラスで世界独占配信となります。ぜひ皆さんよろしくお願いいたします。色んな言語で翻訳いただいているので、本当に色んな国の方に見ていただけたら嬉しいです」と意気込みを語った。

次に、南ゲームPから「ゲームは4月25日に発売するのですが、ゲームももちろん『SAND LAND』、『フォレストランド』どちらの内容も盛り込まれた、大ボリュームな作品となっています。まずはアニメを見ていただいて、次にゲームを楽しんでいただければと思います。ゲームではマップとして『フォレストランド』が登場するので、行き来しながら冒険を楽しんでもらえる内容になっています。ちなみに戦車だけではなく、さまざまなメカでのアクションも楽しめます。自分でカスタマイズすることもできますよ。ゲームのより詳しい内容のPVを公式HPにアップしていますので、ぜひ見ていただければと思います。また、公式HPには、ゲーム視点で『フォレストランド』を表現するために制作したアートワークも出していく予定です。ゲームのオリジナルキャラクターも登場するので、楽しみにしていてください」と紹介した。

さらに、南ゲームPから「こちらも初公開ではあるのですが、現在ゲームの特装版の予約を受け付けておりまして、その特典のひとつに、鳥山先生が描かれた『サンドランド』と『フォレストランド』のオリジナルデザイン キャラファインフォリオを付けさせていただきました。色鮮やかにデザインしていただいて、シリアルナンバーも付いています。こちらもぜひ予約していただけると嬉しいです」と、特装版の豪華特典について説明が。これには、錦鯉の二人も「絶対に予約しなきゃ」と興味津々な様子だった。

今年は『SAND LAND』で決まり!

最後に、錦鯉のお二人と、伊能さんから挨拶がありました。錦鯉の長谷川さんは「盛りだくさんすぎて、ちょっと覚えきれなかったです(笑)。色々あって、ワクワクが止まらないですね。今年は『SAND LAND』で決まり!」と、宣伝隊長らしく、元気いっぱいにコメント。さらに「頭が『SAND LAND』!」という新作ボケも披露しましたが、渡辺さんは「皆さん笑わなくていいですよ。今の全然面白くないんで」と客席に呼びかけた。

伊能さんは「『SAND LAND Project』、実はここに至るまで、結構な時間がかかっていまして。5~6年くらいでしょうか。ちょっと思い出せないくらい。本日、急にたくさんの発表をさせていただきましたが、ひとまずは3月20日より新作アニメシリーズが始まり、毎週新しいエピソードが配信されます。また、4月25日にゲームが発売ということで、立て続けにはなりますが、鳥山先生の作品でこうして新しい続きが展開できるというのはなかなかないことですし、アニメもゲームも素晴らしいものに仕上がっています。ぜひ3月20日と4月25日を楽しみにしていただければと思います」と作品への熱い想いを語り、和やかな雰囲気でイベントを締めくくった。

プロフィール

■錦鯉
ボケの長谷川雅紀(1971年 北海道出身)とツッコミの渡辺隆(1978年 東京都出身)によるお笑いコンビ。ソニー・ミュージックアーティスツ所属。
各々の活動を経て2012年にコンビを結成。2020年からメディア露出を徐々に増やし、「M-1グランプリ2020」では決勝に初進出。史上最年長ファイナリストとして4位という結果を残し話題を集めた。2年連続で決勝に挑んだ「M-1グランプリ2021」では、史上最多6017組がエントリーしたなか、見事に優勝を果たした。

■横嶋俊久(よこしまとしひさ)監督
『ドラゴンクエスト』シリーズなどのゲームPVやOP、ミュージックビデオ、CMなど、幅広く演出を手掛ける。
2009年、自身初のオリジナルアニメ『アマナツ』で監督・脚本を担当。
2017年、同じく監督・脚本を務めた『COCOLORS』で、ファンタジア国際映画祭のアニメ作品最優秀賞にあたる今敏賞(短編)を受賞。
さらに、第21回文化庁メディア芸術祭・アニメーション部門で優秀賞を受賞した。

■伊能昭夫(いよくあきお)
カプセルコーポレーション・トーキョー代表取締役。鳥山明を長く担当しており、『ドラゴンボール』をはじめとする鳥山明作品のアニメ化、ゲーム化などの総合的なプロデュースに関わる。映画『SAND LAND』ではエクゼクティブアドバイザー、映画『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』ではエグゼクティブプロデューサーをつとめた。

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©バード・スタジオ/集英社 ©SAND LAND製作委員会
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