『ガールズバンドクライ』トゲナシトゲアリ「蜃気楼二問フ」歌詞&曲名の意味、MVの映像描写を考察。
蜃気楼は何の比喩表現か、楽曲の作詞作曲者、収録CDと配信音源の発売日も掲載。
「蜃気楼ニ問フ」MV公開
『ガールズバンドクライ』トゲナシトゲアリの楽曲「蜃気楼ニ問フ」MVが2025年8月25日に公開!映像内で水の泡・メンバーカラーの球体が乱れるように動く描写は、メンバー自身に強い信念があるとはいえ、不確実な現実・社会の不条理の影響で、行き場を失って暴走しているように思えてきます。
直線的な動きではなく曲がっている状態は、心が歪んでしまう中でも、それに抵抗しようとしていることの映像表現とも考察できます。
キャンバスボードが右下に積み重ねられているのは、うまく描こうとして失敗したこと=挫折・劣等感というイメージも湧いてきます。ペンキで大きなボードに描かれているのは、複雑な感情が入り乱れて、不条理をぶち壊してしまいたい反骨精神が出ていると思います!
曲タイトル考察
曲タイトル「蜃気楼ニ問フ」に入っている蜃気楼(ミラージュ)は、空気の冷温差で光が曲がり、本来とは違う景色に見える現象。遠くにある建物が海の水面に反射して、虚像が見えている様子などが該当します。実在する物と幻影が混ざっている状態なので、現実と虚構の間で気持ちが揺らぎ、不確かな未来に対する葛藤を表現している印象です。
蜃気楼に問いかけたところで、リアルと幻想=不確かなことが返ってくると考えれば、曲タイトル「蜃気楼ニ問フ」は社会の不確かさ・掴みどころのなさを比喩的に表現していると考察できそうです。
掴みどころのない蜃気楼に問う状態は、答えがないのに明確な答えを求めてしまい、余計に苦しむイメージも湧いてきます。蜃気楼における光の屈折は、心の歪み・葛藤として楽曲内で表現されていると感じました。
「蜃気楼ニ問フ」を字の見た目から考察すると、蜃気楼がリアルと幻想の「二問」に分かれていること、「フ」は光の正規ルートと屈折ルートが右上から分岐しているようにも見えてきます。「蜃気楼に問う」ではなく「蜃気楼ニ問フ」と古語にしているのは、字の見た目からも考察のアプローチができそうです。
トゲナシトゲアリ「蜃気楼ニ問フ」歌詞意味考察
トゲナシトゲアリ「蜃気楼ニ問フ」歌詞では、「何もない心の中」「うずくまって歪んでいた」のフレーズがあります。理不尽な現実や社会の闇を知ったことで、心が歪んで空虚な状態になっているイメージが湧いてきます。
「淡色先天性心理」の歌詞は、薄い淡色=特徴がないこと・劣等感などについて、本当に生まれながらの先天的な感情というより、実際は後天性なのに先天性だと思いたい精神状態で、それほど心が疲弊している様子だと考察できそうです。
「こびりついた劣等」「一つ、一つ」「剥がして」の歌詞は、多量なものに絶望しながらの地道な作業というイメージの中で、少しずつ劣等感を取っていこうと抵抗するニュアンスを感じます。「足掻いて、踠いて、叫んだ」の歌詞は、反発心を持ちながら、行き場のない感情を叫ぶ様子も想像されます。狂犬の井芹仁菜が蛍光灯をぶん回しながら、せからしか~!と叫ぶシーンなども思い出されます。
「答えも存在しない世界に 不正解ばかり投げつけた」の歌詞は、曲タイトル考察ともリンクしますが、そこに答えが全くないのに、答えがあると思って間違いの不正解を出したと感じて余計に苦しむイメージが湧いてきます。答えがないなら全部正解として生きよう、やってみないとわからない!といった前向きな発想ができる精神状態ではなく、うまくいかないことばかりで辛い、どうすればいいんだ!といった葛藤を感じます。答えがないのは、掴みどころのなさも出ていると思います。
「名前のない旋律が僕の胸を切り裂いて」の歌詞は、得体の知れないものが自分を歪ませてくるニュアンスを感じます。具体的な名前・特徴・対処法などが全て判明しているなら胸を切り裂くまでのダメージはないはずですが、漠然とした大きな悩み・言葉で説明できない劣等感の場合はダメージが深くなってしまい、行き場のない感情をどこにぶつけていいか分からない状態になっていることも想像できます。
「乱反射した声と言葉」の歌詞は、蜃気楼の反射・光の屈折に掛けて、自分の考えがスムーズに通らずに満たされない状態、望んだことが叶わない世の中の不条理、悩みが複雑に絡み合う様子などが想像できます。
「この声は君に届いてますか?」の歌詞は、自分の存在価値を求める様子、やるせない気持ちを誰かに共有したい状態のように思えてきます。ファンとの関係では当然届いているので、メンバーから投げかけられたものに対して、ファンが応援の姿勢で繋がる双方向のイメージも湧いてきます。
「君の声を見つけたんだ」の歌詞は、辛いフレーズが並ぶ「蜃気楼ニ問フ」の楽曲で救いを感じる部分で、それが僅かな希望・繋ぎとめる要素で機能している印象です。アニメで井芹仁菜がモヤモヤした気持ちを抱えながら上京し、川崎駅で河原木桃香と出会うシーンなども思い出されます。
「残酷な運命に指を立てて」の歌詞は、残酷な運命に抗う様子が想像できます。どんなに辛くて苦しくても、絶対に悪い方向に流されてたまるか!私は間違ってない!といった発想も伝わってきます。中指を立てる反骨精神を持ちつつ、小指を立てるシーンも連想されます。他にも様々な考察ができる歌詞が含まれているので要チェック!
作詞作曲者
トゲナシトゲアリ「蜃気楼ニ問フ」作詞・作曲はFushiさん、編曲は玉井健二さん・中野領太さんが担当!
収録CD・配信情報
「蜃気楼ニ問フ」は2025年9月24日発売・トゲナシトゲアリ11thシングル「薄采ディスプレイ」のカップリング曲として収録!矢向湯、安和すばる、ルパさんのエピソードを収録したドラマパートも必聴!
配信音源は2025年8月25日20時より、Spotify・Apple Music・Amazon Musicなどの各音楽サブスク・ダウンロードサービスで配信開始!
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