トゲナシトゲアリ「薄采ディスプレイ」歌詞意味・読み方＆Fragile Violet考察『ガールズバンドクライ』

『ガールズバンドクライ』トゲナシトゲアリ「薄采ディスプレイ」歌詞＆曲名の意味、読み方、英語表記「Fragile Violet」を考察。

MV映像の赤×黒エフェクト、井芹仁菜が自分の手を取るシーンの考察、作詞作曲者、楽曲配信情報も掲載。

トゲナシトゲアリ「薄采ディスプレイ」MV

『ガールズバンドクライ』トゲナシトゲアリの楽曲「薄采ディスプレイ」MVが2025年6月23日に公開！MVには雨が降る薄暗い自然を歩く井芹仁菜の様子が描かれており、苦悩や葛藤が出ている印象です。

2:03あたりの描写は、アニメで井芹仁菜から出ていた赤×黒エフェクトが粉々になった状態で、反骨心が強すぎてエフェクトを粉々にしたイメージか、自己のメイン感情と目を背けたい感情を一旦切り分けたものが再度混ざり合っているようにも思えてきます。せからしか！と雑音を一蹴りしたのに、気づけば雑音と向き合う段階に進んでいるのかもしれません。

井芹仁菜が自分と手を取り合うシーンもあるので、自分の中にある負の感情とうまく向き合うイメージも湧いてきます。「采」=摘み取る意味から、花の上にいるもう一人の自分を摘み取って融合する雰囲気も感じます。その後にメンバーが待っているシーンが配置されていることを踏まえると、自己受容の先にメンバーとの明るい未来が待っている意味にも解釈できます。

「薄采ディスプレイ」読み方・意味考察

「薄采ディスプレイ」の読み方は「うすいろディスプレイ」。采の本来的な読み方は「さい」、意味は摘み取る・彩り・姿など。ディスプレイ（display）の意味は表示・展示など。

負の感情を摘み取って【=采】、別のところに一旦置いている状況【=ディスプレイ】は、完全には切り離せない自分の中の感情群なので、【薄】っすらと意識していると言えます。負の感情を薄めているつもりの精神状態、あるいは閉じ込めて遠ざけたはずの感情が、じわじわと漏れ出してメインのアイデンティティ部分に混ざってくるイメージが曲タイトル「薄采ディスプレイ」の意味にも思えてきます。

自己のアイデンティティ形成に邪魔なものを一旦忘れようと試みたとして、避けられない理不尽な現実に気づき、負の感情と混ざり合っているイメージも想像されます。その混ざる様子はハッキリとした色ではなく、中間色・薄い色のイメージだと思うので、【薄采】の漢字が当て字のように使用されているという解釈も可能です。混ざるのは抵抗の失敗ではなく、うまく付き合っていかなければならない感情だと気づいている状況=成長の意味にも受け取れます。

ディスプレイをplayのdis（反対・否定）=プレイできないと解釈した場合、負の感情=雑音がうるさくて、うまく生きることができない苦悩を表現している印象も受けますが、全体的には負の感情と混ざり、それを受け止めるイメージの方が強いと思います。

英語表記「Fragile Violet」

「薄采ディスプレイ」の英語表記は「Fragile Violet」（フラジール ヴァイオレット）。直訳の意味は壊れやすいスミレ。赤色と青色を混ぜると紫色になるので、一旦遠ざけたはずの感情と混ざっている精神状態を表現している印象です。負の感情と混ざり始めた段階は成長の第一歩とはいえ、まだ不安定で壊れやすい状況という見方もできます。

トゲナシトゲアリ「薄采ディスプレイ」歌詞意味考察

トゲナシトゲアリ「薄采ディスプレイ」歌詞では、「憎んできたものは不条理や見て見ぬフリだらけの世界だったはずなのに」「気付けば染みついてた」のフレーズがあります。不条理を憎んでいたのに染みついていたのは、不条理を黙認せざるを得ない世の中だと気づき、完全に排除することは困難だと思い始めているのかもしれません。

「どうせなら全てを攫ってよ」の歌詞は、大切に守ってきたものほど奪われる状況で、そこをピンポイントで奪われて苦しむぐらいなら、全部真っ白にしてくれた方が楽になれるといった発想が伺えます。本当は大切に守ってきたものを貫きたいのに、それが不可能な世の中なら、いっそのこと全てリセットしたいと自暴自棄になっているイメージも湧いてきます。

「平然と明日が笑ってる 昨日までの自分みたいに」の歌詞は、明るい笑顔の意味であれば、今日悩んだところで明日も笑いに満ちた日になるから、これ以上考え込む必要がないと解釈できます。世間を嘲笑う意味であれば、今日解決または痛みを踏みつぶしても、どうせ明日から世間を嘲笑う出来事や痛みが起こるから、無理に解決しようとしなくていい、解決は不可能、共存するべき感情だと解釈できます。「平然と」のイメージから、抵抗しても不条理は世の中から消えない意味にも思えてきます。

アニメでせからしか！と感情を爆発させて中指を立てた後の時間軸で、不条理な現実に向き合う段階、自己受容の視点も出ているのが「薄采ディスプレイ」の位置付けなのかなと感じました。他にも様々な考察ができる歌詞表現が含まれているので要チェック！

作詞作曲者・配信情報

「薄采ディスプレイ」
歌：トゲナシトゲアリ
作詞・作曲：Misty mint
編曲：玉井健二・大西省吾
配信日：2025年6月23日より各音楽サービスで配信

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