アニメ『ワンダーエッグ・プライオリティ』11話感想記事です。
アニメ11話の感想付きネタバレストーリー、フリル&AI、ドット&ハイフン、「死の誘惑」についての考察などをお届けしています。
ワンダーエッグ・プライオリティ11話ネタバレ感想・考察
ドットちゃん
オリジナルアニメ『ワンダーエッグ・プライオリティ』11話「おとなのこども」では、川井リカがクリアして、ちえみが復活していました。そこへ、ドットちゃんが現れ、ちえみ復活の代償として 亀のマンネンを逝かせています。
死神のような存在として、川井リカにドット(.)、沢木桃恵にハイフン(‐)が現れていますので、大戸アイと青沼ねいるにも、別の【記号】絡みの相手が登場するのか気になりますね。
タナトス・エロス
次は大戸アイがアカ・裏アカの家に入っていき、未成年の自殺を取り上げた新聞の切り抜きを発見しています。新聞には、「死の誘惑」と書き込まれています。さらに、「タナトスに対抗できるのはエロスの戦士しかいない」と書かれた資料も見つけています。
タナトスは死の神(≒死の誘惑)、エロスは愛の神ですので、上記記載は「死・死の誘惑に対抗できるのは愛の戦士しかいない」と言い換えることができます。また、『自殺を食い止めるのは愛』という考えも伝わる言葉だと考察できます。
思うに、ワンダーキラーはトラウマなどの具現化・助ける子の自殺を助長する存在・「死の誘惑」が具現化した姿だと言えます。また、川井リカたちが 数体のワンダーキラーを倒してクリアしたことは、助ける子&彫像化した人物への「愛」が満たされたレベルに達したことを意味していると考察できます。
そうすると、川井リカたちは 助ける子&彫像化した人物にとっての「死の誘惑(≒ワンダーキラー)」に対抗した「愛」の戦士だと考察できそうです。一方で、クリアしたことにより、今度は川井リカたちを「死の誘惑」に直面させていますので、川井リカたちにとっての 「愛」の戦士 が別に存在していると考えることもできそうですね。
フリル
11話では、裏アカが大戸アイに対して 過去を話し始め、AI(人工知能)を生み出したことが明かされていました。AIの年齢は14歳に設定し、名前はAI自身が言ったフリルに決まります。その後、アカと保科あずさが出会い、結婚・妊娠の展開になっていきます。
ところが、フリルは保科あずさに嫉妬していました。そして事件が発生。フリルは、風呂に入っていた保科あずさのところへドライヤーを放り投げ、保科あずさを死亡させています。激怒したアカはフリルをボックスへ閉じ込めることに…。
幸いにもアカと保科あずさの娘・ひまりは生きていましたが、またしても惨劇がおき、ひまりが風呂場で死亡しています…。死亡直前のシーンで誕生日ケーキがあり、中2と言っていたことから、14歳の誕生日当日に死亡したと考察できます。
ひまりが14歳で死亡していた場合、フリルが14歳として誕生したことから、同年齢より長く生きられることをフリルが嫌い、死への手引きをしたと考察できそうです。ちなみに、大戸アイたちも14歳ですので、これと関係していると解釈できます。
死の誘惑とAI
フリルを閉じ込めていたボックスへ 裏アカが向かったシーンでは、フリルがまだ生きていたことが判明。2人の会話から察するに、フリルはドットやハイフンを使って ひまりを「死の誘惑」に直面させ、ひまりの自殺を助長させたと考察できます。
その後、アカ・裏アカは自殺の調査を開始し、ワンダーエッグを作り、AIたちの試みに介入できるようにしたと解釈できる発言がありました。これは、AIたちが生み出す「死の誘惑」への対抗手段がワンダーエッグ技術だと言えそうです。
また、11話での新事実は9話での伏線と繋がりましたね。それは【少女の自殺は、もともとはアカ・裏アカが原因(9話)】=【少女の自殺は、アカ・裏アカが生み出したAIが「死の誘惑」を行ったことが原因(11話)】と解釈できます。
これを前提にすると、長瀬小糸にもAIが「死の誘惑」を行い、長瀬小糸を自殺に追い込ませていると考察できそうです。同時に、一連の黒幕はアカ・裏アカ・田辺美咲というよりも、AIだったと考えることができますね。
同じ轍を踏む
次はアカが「同じ轍を踏む」と言っていたシーンを考察。「同じ轍(てつ)を踏む」の意味は、先人と同じ失敗を繰り返すことです。「失敗」は、アカ・裏アカがAIによる「死の誘惑」に飲み込まれ、体を捨てざるを得ない状況になったことを意味していると考察できます。
皮肉にも脳だけは死んでおらず、事実上AIのようになっているところが残酷だと言えます。AIのフリルを生み出した後、愛情を注がなかった罰が当たったとも言えますが、少しかわいそうですね…。アカ・裏アカとフリルは、どちらも加害者であり被害者ですので、なんとも言えない気持ちになります。
また、 アカ・裏アカは大戸アイのことを、自分たちと同じ失敗を繰り返さずに、死の誘惑に対抗できる「愛の戦士」だと思ったからこそ、自分たちの過去を打ち明けたと考察することもできます。
大戸アイとAI
次は大戸アイとAIについて考察。11話を観て感じたのは、大戸はオート=自働・自己、アイはAI・愛と関連付けているのでは?という点です。具体的には、以下の流れの暗喩になっている可能性があるかもしれません。
①自己を持つAI・事故を起こしたAIのフリルが、大戸アイに対して「死の誘惑」を行う
②しかし、「死の誘惑」に直面した大戸アイは「愛の戦士」の器を持っているので、自殺はしない
③大戸アイがAIに「愛」を注ぎ、AIが「死の誘惑」を行わなくなる→自殺が減る
こういった考察もできるかもしれません。また AIと大戸アイ関連では、自己を持つAI と オッドアイにつき、我々は珍しがらずに、もっと普通に存在・地位を認めてあげるべきだ、という主張の暗喩だと考察することもできます。
合わせて、AIのフリルが人間を死亡させた展開を描くことで、AIは人間が予期せぬことを引き起こす可能性があるという警告的な意味も主張していると解釈できます。そして、どちらの側面も見せることで、視聴者に問題提起し、アニメを通して社会問題に興味を持ってもらおうとしているのかもしれません。
ドット・ハイフン・アイ
次はドット・ハイフンと、大戸アイについて考察。まず、大戸アイをヘボン式でアルファベット表記にすると「OTOAI」になります。
「O」は小さくするとドット(.)、「TO」は平仮名にした場合「と」になります。「と」は、言葉を繋ぐ接続詞だとすると、ハイフン「‐」もまた、繋ぐことを連想できます。そして「AI」からはフリル・愛を連想できます。
そうすると、「O」=ドット、「TO」=ハイフン、「AI」=フリル・愛となり、これらに大戸アイが関わることを、名前に埋め込んでいると考察できるかもしれません。
ちなみに、ドット=点、ハイフン=線だと見ることもでき、ドットとハイフンの存在は 点と点が線で繋がることの 暗喩になっている可能性もあります。
唇「パッ」が怖い
11話は、フリルが唇を「パッ」とさせているシーンがインパクト大でした。卵を割る音同様に、音フェチにはたまらない音でしたが、不穏で怖い印象の方が強かったですね…。
また、ひまりが死亡前の食事シーンで、唇を「パッ」とさせていたのは、この時点でフリルの「死の誘惑」が始まっていたと考察できそうです。
ちなみに、川井リカの服にも唇のワッペンが付いていますので、「死の誘惑」に悩まされる展開との繋がりを感じます。
アダルトチルドレン
次は、11話サブタイトル「おとなのこども」の意味について考察。これは、①「アカ・裏アカのこども(フリル)、アカのこども(ひまり)」、②アダルトチルドレンの意味合いがあるように思います。
①はそれぞれの苦悩・痛み・嫉妬などを表現している印象です。②アダルトチルドレンの意味は、子供の頃にトラウマを負って成人になった人たちのことです。大戸アイたちはまだ未成年ですので、アダルトチルドレンにならないように、今しっかりと「死の誘惑」・トラウマなどに向き合っている点を表現している、と解釈できます。
フリルと西城くるみ
11話の登場人物・フリルは、1話で大戸アイが出会った西城くるみに似てるような印象を受けました。共通・類似点は、①何らかの嫌な事を経験したこと、②動きのある髪・同系色の髪&瞳などが挙げられます。
①については、フリルは ゆらゆらと心が揺らぐこと、くるみはクルミ割り現象(とある部分の静脈が動脈に圧迫されること)の暗喩になっていると考えると、マイナス的な繋がりを感じます。
②は厳密には違いがあります。髪はフリルの方が長く、髪色はフリルの方が明るく、目の色は西城くるみが青色寄り・フリルが緑色寄りです。
大戸アイが西城くるみのボールペンを基本装備にしていること と合わせて考察すると、西条くるみはキーパーソンで、フリルとも何らかの関連性がありそうな気もします。
ワンダーエッグ・プライオリティ11話ネタバレ感想・考察まとめ
オリジナルアニメ『ワンダーエッグ・プライオリティ』11話のネタバレ感想・考察をお届けしました。
11話は、アカ・裏アカがAIのフリルを生み出し、アカの奥さん・保科あずさ&娘・ひまりが死亡したことなどが描かれた回でした。また、「死の誘惑」や自殺関連など、核心に迫る重要事項が多く明かされた回だったと言えます。
次回の12話では、長瀬小糸の死因、沢木先生と大戸アイ母親の関係などに触れ、大戸アイが「死の誘惑」を乗り越える展開が描かれるのか?果たしてどうなるのか楽しみですね!
なお、11話が放送された日付・3月24日は、Blu-ray&DVD第1巻の発売日ですので、こちらも要チェックです!
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