『ワンエグ』カラー・アネモネの花言葉を考察。
大戸アイの目・髪・パーカーなどの色、『ワンエグ』と関連深い アネモネの花言葉との関係などに触れつつ、アニメ『ワンエグ』を考察していきます。
ワンエグ概要
TVアニメ『ワンダーエッグ・プライオリティ』(以下、ワンエグ)は 2021年冬クールに放送されているオリジナルアニメ。原案・脚本を野島伸司さん、アニメーション制作をCloverWorksが担当しています。
『ワンエグ』は考察点の多いアニメで、様々な考察が可能となっています。今回は、何らかの意味があると思われる、配色・カラーを以下より考察していきます。また、『ワンエグ』と関連深い、アネモネの花言葉にも触れていきます。
ワンエグ考察、カラー・アネモネ花言葉編
目・パーカー・髪
まずは大戸アイの目・パーカー・髪を考察。大戸アイの目(虹彩)は、左右で色の異なるオッドアイで、右目が黄色・左目が青色になっています。また、パーカーは黄色で、髪は青色です。
大戸アイは、青色の左目を青色の髪で隠しています。一方で、黄色の右目は全体が見えるような形で外に出ていて、色がパーカーとリンクしています。
髪は体の一部で、パーカーはそうではありません。そうすると、青色の左目を青色の髪で隠していること、外に出ている黄色の右目とパーカーの色がリンクしていることは、本来の自分を出し切れていない、自分の中にある殻を割れていないと考察できます。
成長できていない・やりたいことができていない・目指したい自分の理想像ではない部分が、前に出ているイメージです。
ここでの各カラーの意味合いは、青色が成長、黄色が成長できていないことの象徴になっていると考察できます。なお、物語が進むと、大戸アイが成長していきますので、あくまでも序盤の大戸アイを表現した設定だと解釈できます。
青色の目を隠す →体の一部(青色の髪)で隠す →自分の成長を隠す | 成長できていないイメージ |
黄色の目を出す →黄色のパーカーと色が同じ →パーカーは体の一部ではない →自分以外が前に出ている | 同上 |
ちなみに、大戸アイのパーカーには ひまわりがデザインされています。2話で大戸アイと青沼ねいるが歩いていた空間の壁には、ひまわりが描かれていました。これも、ひまわり=黄色=成長できていない・自分の殻を割れていないことが関係していると考察できそうです。
なお、両目レベルで 2つの意味を持つ色が同時存在していると見た場合、どちらにも転ぶ可能性がある点を表現していると考察することもできます。作品名に入っている「プライオリティ」は「優先順位」という意味がありますので、優先順位の選択がプラスにもマイナスにもなり得ると言えます。これが、オッドアイの配色と連動しているのかもしれません。
余談ですが、オッドアイは猫に多いことから、大戸アイの表情が猫っぽくなっていた描写がアニメ内であったと解釈することもできます。また、大戸アイの目の一番中心部にある瞳孔は、クリーム色~薄い黄色系で、卵型になっています。
ヘアピン
次の考察は大戸アイのヘアピンについて。大戸アイのヘアピンは、長瀬小糸が生きていた頃は白色で、真っすぐなヘアピンをクロス(X型)にしています。一方で、長瀬小糸の死後は、三角型で黄色のヘアピンに変わっています。
卵との関連で見てみると、白色は卵の殻、黄色は卵の中身のカラーになっています。ここから派生して 各色を考察してみると、白色は、イジメの対象が長瀬小糸に向いていたことから、大戸アイが長瀬小糸に守られているイメージ。黄色は、長瀬小糸が死亡したことで、イジメの対象が大戸アイに戻ったイメージが湧いてきます。
そうすると、白色は、大戸アイ(卵の中身)が 生前の長瀬小糸(卵の殻)に守られている状態。黄色は、長瀬小糸の死亡によって、防波堤のようなものが無くなった状態の暗喩だと考察できます。
ボールペン他
『ワンエグ』には、配色が印象的なシーンが他にも多数出てきます。例えば、大戸アイと長瀬小糸の履き物、西城くるみが持っていたボールペン(大戸アイがワンダーキラーを倒す際に使用するもの)、OPED映像のタマゴなどが挙げられます。まとめると、以下の図表のようになります。
配色・カラー | |
大戸アイの瞳 | 右目:黄 左目:青 |
大戸アイのパーカー&髪 | パーカー:黄 髪:青 |
大戸アイのヘアピン | 長瀬小糸の生前:白 長瀬小糸の死後:黄~黄緑 |
大戸アイと長瀬小糸の履き物 | 大戸アイの外履き靴:黄 長瀬小糸の上履き:青×白 |
アカ・裏アカのメガネ | アカ:青~黒 裏アカ:黄~黄緑 |
川井リカのメッシュ髪 裏アカの髪 | ピンク |
鈴原南の新体操リボン | 黄 |
ボールペン | 本体:ピンク インク:黄・赤・青・緑 |
OPED映像のタマゴ | 黄・赤・青・緑・白 |
川井リカの武器 | 黄・赤・青・白 |
アネモネの花言葉
『ワンエグ』の主題歌を担当する音楽ユニット「アネモネリア」の名前は、大戸“ア”イ、 青沼“ね”いる、 川井“リ”カ、 沢木桃恵(=“も”)と、“アネモネ”の花の名前が由来になっています。アネモネには、全般的な花言葉と、各色の花言葉がありますので、ストーリーとリンクしている部分もあると考察できます。
例えば、ピンクの花言葉には「待ち望む」などがあります。ピンクと言えば、大戸アイがワンダーキラーを倒す際に使用しているボールペン本体の色です。大戸アイが待ち望むものは、長瀬小糸の復活・大戸アイ自身の成長などになりそうですので、ボールペンの配色とリンクしていると考察できます。
また、全般的な花言葉には「儚い恋・見捨てられた」などがあります。これは、長瀬小糸が大戸アイから見捨てられた状態になったことで、自殺した展開と連動していると考察できます。
そして、青色の花言葉には「あなたを信じて待つ」など、白色の花言葉には「期待」などがあります。これは、長瀬小糸の上履きが青色×白色になっていることとリンクしていると考察できます。
具体的には、生前の長瀬小糸は大戸アイを信じていたこと、死後はワンダーキラーを倒してくれることを期待しつつ 救出を待っている様子などが考えられます。
なお、アネモネの花言葉は、以下の通りです。
アネモネの花言葉 | |
全般 | 儚い恋、見捨てられた、希望 |
赤 | 君を愛す |
白 | 真実・期待 |
青 | 固い誓い・あなたを信じて待つ |
ピンク | 待ち望む |
黄など | 特になし→全般を当てはめる |
ワンエグ考察、カラー・アネモネ花言葉編まとめ
アニメ『ワンダーエッグ・プライオリティ』(ワンエグ)の考察として、アネモネの花言葉などとカラーの関係を考察しました。
『ワンエグ』は、登場人物の成長、守ってくれる存在、それぞれの人間関係などが、カラー・アネモネの花言葉とリンクしていると考察できます。暗喩・伏線などを含む各要素が複雑に入り込んでおり、解釈が分かれるように設計されている印象もあります。
カラー・アネモネの花言葉をまとめた図表は、各話を観た後にそれぞれ当てはめてみると、新たな発見がありますので、参考にしてみてください。
色の視点からも物語を楽しめる『ワンエグ』は、様々な考察ができるオリジナルアニメ。常識を変えるような斬新な構成も魅力的ですので、ぜひ今後も注目していきましょう!
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