「バンドリ!」アニメ『BanG Dream! Ave Mujica』12話感想!
黒い傘が飛ぶシーン、OP・ED逆転理由、コーヒーの意味、豊川定治の反応、豊川祥子がMorfonicaとすれ違う場面、神になると宣言するシーンなどをネタバレ込みで考察!
『BanG Dream! Ave Mujica』12話感想
黒い傘・体感2分ED
アニメ『BanG Dream! Ave Mujica』12話では、雨の中で豊川祥子がスイス行きの飛行機に向かう途中、黒い傘が飛んだタイミングで逆方向に走っていました。黒い傘の中にいた段階はまだ運命に逆らえない状況の比喩で、それが無くなったことで運命が変わる兆しを見せたことを表現していたと考察できます。
CRYCHICを脱退した後に雨の中を進んでいたシーンとの対比も感じられ、この時は家の事情などで運命の濁流に流されていましたが、12話は運命の濁流とは逆方向=前向きな状況になっているのがグッときます!
ここでED映像が流れたので、12話は体感2分で終了した感覚でしたが、本当に2分…むしろ2分も経過していないところでED映像になっていました。先にED映像を流した理由は、暗い過去を清算して運命をひっくり返す意味などが考えられそうです。
本物の三角初華は生きている?
豊川祥子が島に行くシーンでは、タクシーの運転手が三角さんは本土に引っ越したと言っていたので、本物の三角初華(初音の妹)は生きていると解釈できそうです。
本土ならテレビやネットなどの通信環境も整っていると思うので、本物の初華は初音が自分の名前を使ってAve Mujica・sumimiの活動をしていることを知っている可能性もあります。
本物がどう思っているのか気になるところですが、ストーリーが明るい方向になっていることを踏まえると、本物は肯定的に思っているパターンも考えられます。否定的だと本編で描くのは難しい段階になっているので、未登場になりそうな予感もします。
忘却
三角初音が豊川祥子に真実を打ち明ける展開では、隠し子や妹の名前(初華)を使っていたこと、母親は初音が生まれて別荘の管理人を辞めたこと、豊川祥子と父親の貧乏生活は初音が元凶なことも話しています。
初音は住み込みで管理人をすることになっていましたが、豊川祥子がAve Mujicaに誘う方向になっていました。不幸や後悔などを無かったことにすると言う場面は、オブリビオニスの「忘却を恐れるなかれ」がここでも効いていたと思います。
豊川定治の反応
豊川定治が豊川祥子から強く言い返される場面では、何かに気づいたようにハッとしていました。婿養子で豊川家の恐ろしさに怖気づいていたこと、豊川家の運命に逆らえずにいた自分が孫娘を運命の濁流に流す側になっている罪・自分を偽ってきたことなどを感じていたと考察でき、豊川祥子はそれを打ち砕いてあげたシーンという見方もできます。
豊川祥子は12話で神と口にしたこと、Ave Mujicaの楽曲がキリスト教や神話モチーフになっていることも踏まえると、神のお告げ・罪の浄化といった視点でも解釈できます。
豊川祥子は父親の豊川清告をよろしくと言い、別シーンで豊川清告はアパートの外に出ていました。豊川定治は気持ちを改めて、豊川家に戻るチャンスを与えたか、詐欺事件の責任を取らせたことを謝罪したケース、腹を割って話したパターンなど、何らかの接触を図った可能性もありそうです。
コーヒーの意味・秘密
豊川祥子が初音の淹れたコーヒーの匂いが嫌いと思ったことは、初音には伝えていませんでした。豊川祥子は秘密を全て共有しなくてもいいと考えているので、わざわざ紅茶が好きとは言わなかったのだと思います。自分の好みを言って初音を困らせたくなかったか、あくまでもバンドメンバーとして仲良くしている意味にも受け取れます。
秘密を共有しない視点は、本物の初華がどうなっているのか、地面師詐欺事件の真相などを明かさない可能性に加え、仮面バンドのAve Mujicaとも繋がり、ビターな要素を香らせるシーンだと感じました。ただし、Ave Mujicaの他メンバーに初音をこれまで通り「初華」として話を進める場面もあったので、正体を隠してあげている意味では、良い方向でも機能しているという見方もできます。
祥ちゃん大好き
豊川祥子と一緒に暮らし始めた初音は、祥ちゃん大好きと言って、まるで結婚した夫婦の同居生活が始まった喜びを伝えているような雰囲気でした!
初音は島で暮らす予定だったところ、豊川祥子が連れ出している状況であり、偽物の初華を演じていたことも打ち明けた後なので、以前のような閉じ込める発想ではなく、純粋に今を大事にしたいイメージだと解釈できそうです。
別シーンで一緒に遊ぶ描写は、偽物の初華ではなく初音として新たに思い出を作っているのもグッときました。本物の初華も知らない特別な日常を過ごしたのは、本物の初音による本物の思い出であり、百合要素としても尊いシーンになっていたと思います。
高松号
夜行バスがメモリアル高松号となっている場面は、豊川祥子が高松燈の良い影響を受けて前に進む雰囲気を感じました。
豊川祥子から高松燈に手紙を送るシーンは、高松燈が付箋を貼った関係で強く当たっていた頃とは違って、穏やかな様子や成長が伺える描写でした。付箋に書かれていた内容でAve Mujica復活を決めたこともあり、手紙は付箋に対する返事とも解釈できそうです。
Morfonicaとすれ違うシーン
豊川祥子がMorfonicaメンバーとすれ違うシーンは、Morfonicaのステージを正面から見てバンドに憧れた頃とは違い、逆方向に進む点を表現していた気もします。バンドのきっかけはMorfonicaとしても、進む方向・音楽性・抱えている問題などは全く異なるといった雰囲気を感じました。
例えば正面で立ち止まって挨拶した場合なら、Morfonicaと向き合っているイメージですが、立ち止まらずにすれ違っていたのが印象に残りました。すれ違う=逆方向に進む発想だと、12話のOP・ED逆転にも繋がる要素という見方もできます。
豊川祥子が神になる
Ave Mujicaが最短で再デビューする話では、豊川祥子が運命を受け入れる必要はないと言い、自分が神になると宣言しています。Ave Mujica「Crucifix X」MVで、豊川祥子が太陽神と解釈できる描写とも繋がるシーンでした。
事務所の壁にある白い翼は、Ave Mujicaが翼で飛ぶイメージも連想され、「Imprisoned XII」「Crucifix X」MVに出てくる翼との共通要素も感じました。ただし、「Imprisoned XII」は翼を得た後に鳥かごと判明、「Crucifix X」は翼が溶けていたのに対して、12話本編は事務所の入口を強行突破するほどの勢いを見せている点で違いがあると解釈できそうです。
事務所の社長に会うシーンでは、豊川定治の許可を得る必要はなく、Ave Mujica再始動の方向になっています。「Ave Mujicaのオブリビオニス 豊川祥子ですわ」のセリフは特に印象的で、豊川家の令嬢ではなく自分自身が最大の武器で、運命をひっくり返したことも伝わってきました。周囲の人に影響を与える視点だと、本当に神のような描かれ方だと感じました!
最後にOP曲が流れた意味
最後にOP曲が流れたのは、Ave Mujicaの再デビューを象徴する演出だと感じました。曲名「KiLLKiSS」は過去を殺して今の自分にキスをする意味にも受け取れ、12話のストーリーともリンクしていると思います。
「人は壊れてゆく」の歌詞は悪い方向ではなく、自分の罪・しがらみ・嫌な過去・理不尽な運命などを全て壊すような良い意味にも解釈できます。神のエピソードを踏まえると、豊川祥子という神が全てを破壊・浄化して、新たな秩序を構築する状況といった発想もできそうです。
12話感想まとめ
アニメ『BanG Dream! Ave Mujica』12話では、過去を清算してAve Mujica再デビューを印象付けるようなOP・ED逆転演出、豊川祥子が運命をひっくり返す展開などが描かれていました。バンドアニメで神と言い出すキャラが出てくるのも面白かったです!
ストーリーの流れは明るい方向になっていますが、コーヒーの匂いが嫌いと言っていた場面はビター要素なので、これがどう影響してくるのか気になります。13話の予告ではAve Mujica・MyGO!!!!!のライブシーンがあったので、2つのバンドがどのように描かれるのか楽しみです!
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