【Cygames NEWS LETTER】PlayStation®5の供給安定化に、スマホ所持の低年齢化…ゲーム市場は更なる成長へ。ユーザーが求める“ハイクオリティーな映像体験”を追求するため…「最高のコンテンツ作り」を支えるサイゲームスの社内設備を紹介！
東京・渋谷オフィスの『ウマ娘』3D技術・モーションキャプチャー情報、大阪の新フォーリースタジオ情報も！
Cygames大阪フォーリースタジオがオープン！
ゲームの企画・開発・運営事業のほか、アニメ製作や漫画事業など、幅広いエンターテインメント事業を展開する株式会社Cygames(以下サイゲームス)は、ゲームづくりに欠かせない「SE(サウンドエフェクト)」を収録する新スタジオ「フォーリースタジオ」を大阪サイゲームス内に、2022年11月にオープンしました。近年のスマホゲーム・コンシューマーゲームでは、ゲームの世界観をより細やかに表現できる没入感とオリジナリティーのある音が求められます。これまで外部に頼っていたこうした音の表現ですが、ゲームの世界観をより細やかに表現し、没入感のあるSEを目指すため、フォーリーサウンドの収録が行える自社専用のスタジオは欠かせません。
角川アスキー総合研究所『グローバルゲームマーケットレポート2022』によると、2022年のゲーム市場は前年比4.3%減と、ロックダウンに伴う急激な成長後、調整局面となりました。しかし、世界のゲームプレイヤー数は前年比4.6%増の約32億人でエンゲージメントは低下しておらず、再び成長軌道に戻ると予測されています。さらに発売以降、世界的な半導体不足やコロナ禍により手に入りにくい状況が続いていたPlayStation®5も供給が安定し、2023年上半期には900万台以上と好調な販売状況が発表されました。新たなソフトウェアの開発にも追い風となり、市場のさらなる成長が期待されます。
コンシューマーゲームにおいては、ゲームエンジンの進化などによるグラフィックやクオリティーの向上もあり、ゲームの表現力は進化し続け、「どこまでもリアルに近いこと」が求められています。メタバースやVR技術も導入が進み、コンテンツの幅が広がったことで各コンテンツに求められる映像体験のクオリティーはさらなる高まりを見せています。
サイゲームスもPlayStation®5、PlayStation®4、PC(Steam®)用ソフトとなる『グランブルーファンタジー リリンク』を2024年2月1日発売予定です。繊細でクオリティーの高いイラストが魅力のグラブルの世界観を、3Dで表現した同作にも注目です。
スマホゲームに関しては、「ファミ通モバイルゲーム白書2023」で2022年の世界のモバイルゲームのコンテンツ市場について前年比97.2%、8兆9,146億円と推計されました。世界的な巣ごもり需要の収束が影響し、ここ数年のような右肩上がりの成⻑は一旦落ち着くかたちとなりましたが、2015年の調査開始以来、市場規模は7年で倍増しており、近年のスマホゲーム市場のすさまじい成長ぶりが読み取れます。スマホの所持の低年齢化も進む中で、今後更なる市場の成長も予想されます。一方で、端末や映像技術の進化、またスマホの映像も表現能力が向上したことで、コンシューマーゲーム同様、利用者のゲームに求める映像体験のクオリティーレベルも上がっており、ヒット作を生み出しづらくなっているという現状もあります。そんなユーザーのニーズに応えるためにも、各社コンテンツ開発のための設備の充実化を図っています。同時にゲーム制作における役割分担も今まで以上に細分化され、今後、効果音の制作を担当するフォーリーアーティストや、3Dのグラフィック制作を担当する3DCGアーティストなど、専門性の高いゲーム制作人材の需要も拡大していくことが予想されます。
「最高のコンテンツを作る会社」を目指すサイゲームスは、ユーザーに最高のコンテンツを届けるため、また高まり続けるユーザーのハイクオリティーコンテンツへのニーズや期待に応えていくため、積極的に開発設備への投資を行なっています。本レターでは、そんなサイゲームスの“最高のコンテンツ作り”を支える東京と大阪にある2つの拠点の社内設備をご紹介します。
ウマ娘も制作した東京・渋谷オフィス
サイゲームスでは、ビジョンである「最高のコンテンツを作る会社」の実現のため、そして多くの人間がかかわる開発サイクル・品質の向上のためにも、設備投資を積極的に行い、ゲーム開発に必要な最先端の設備を自社内に保有しています 。
東京オフィス(渋谷区)の社内には、16m×9mのエリア内に設置した72台のカメラで、アクターの動きを撮影する「モーションキャプチャースタジオ」の他に、224台の一眼レフカメラと22台のストロボで構成された「ボディスキャナー」と、67台のフルサイズ一眼レフカメラと156台のLEDライトユニットで構成された「フェイススキャナー」を擁する「スキャンスタジオ」などがあり、効率的な開発が可能な環境づくりに徹しています。
※フォトグラメトリーとは…
被写体を複数のアングルから撮影し、その写真を基に3次元データを作る技術のこと。
撮影した写真から高精細なメッシュ形状と高解像度なテクスチャーマップの両方が生成できます。
モーションキャプチャースタジオを使用した『ウマ娘』ゲーム制作の裏側
ゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』には、ダンスから指一本の動作に至るまで、まるで生きているような3Dアニメーションがふんだんに盛り込まれています。このリアルなキャラクターの動きこそ、モーションキャプチャーを利用しての制作されたものです。
中でもレース終了後に出走したウマ娘たちによるライブパフォーマンス「ウイニングライブ」は、「ライブ開発チーム」という組織によって制作され、チームのスタッフはプランナー、2D・3D背景アーティスト、モーションアーティスト、カットシーンアーティストなどで編成され、ライブのコンセプト立案から映像の演出、背景やモーションなどの各アセットの作成、実際の映像の完成までを担っています。
世界的にも稀有なオフィス内の設備高性能なフェイススキャナー
人間の顔をより高精細にスキャンすることを目的として導入した「フェイススキャナー」により、従来よりも短い時間でリアルな顔のCGデータを制作することが可能となりました。
サイゲームス内でAAAタイトルを目指して開発中の『Project Awakening』もフォトリアルで高精細なモデルを数多く使ったタイトルです。
高機能設備を揃えた大阪の最新スタジオ
2014年にPS4®への参入を発表して以来、スマートフォンゲームに限らず、コンシューマーゲームの制作にも着手してきたサイゲームス。コンシューマーゲーム開発に取り組む企業が多く集まる大阪で、ハイエンドタイトルの開発を手掛ける拠点として、2015年に設立された大阪サイゲームスでも、新たな拠点として昨年3月にはモーションキャプチャースタジオがオープン。さらにアーティストが思い立ったらいつでも気軽に撮影する環境づくりとして、今年4月には、執務室内に簡易モーションキャプチャーが設置されるなど、日々最高の環境を目指した整備が行われています。
これまでも、ハイエンドタイトル開発においてクオリティーの向上に努めてきた大阪サイゲームスが、ユーザーのさらなるニーズに応え、進化し続けるリアルさを追求するために、2022年3月上旬から本稼働をスタートさせたモーションキャプチャースタジオは、フォーリースタジオ、執務室なども配備され、大阪サイゲームスの「最高のコンテンツ作り」を支える重要な役割を担っています。
8mの天井高に168台のカメラが360度、ワイヤーアクションも可能な世界屈指のハイスペックスタジオ
8mの天井高に168台のカメラが360度、14mx10mx5mの空間に死角なく敷き詰められているモーションキャプチャースタジオでは、 多人数収録、指、フェイシャル、バーチャルカメラなどへの対応が可能に。カメラが168台となれば、高い精度で撮影が可能です。さらに8mの天井高を活かし、ワイヤーアクションを使ったダイナミックなシーンを演出することができるようになりました。世界的に見ても屈指のスペックを誇る新スタジオは、何より「大阪サイゲームスがハイエンド開発に本気」なことをアピールするための象徴ともいえます。
アクターファーストのスタジオを目指して
新スタジオは、日本屈指のモーションアクター集団のご協力のもと設計。アクターの足腰の負担を軽減した浮き床の構造や、操演の機材選定や配置、運用のしやすさなど、現場で活躍されるプロの経験や意見を反映したスタジオづくりを目指しました。収録後のシャワールームも備え、アクターの快適性を最重要視した “アクターファースト”の新スタジオです。
より細やかで臨場感のある「音」を表現するために最新鋭のSE収録専用のフォーリースタジオが完成
ゲームづくりに欠かせない「SE(サウンドエフェクト)」を収録する新スタジオ「フォーリースタジオ」を大阪サイゲームス内にオープン。
高品位でバラエティーの豊かな効果音を収録
収録エリア内の床面には、アスファルトやコンクリート、大理石などの床と、砂や水をためるピットを用意。様々なバリエーションを収録することを可能としました。
収録作業にはアーティスト、エンジニア、オーディオディレクター、アシスタントなど多くのスタッフが関わりますが、フレキシブルな活用や効率的な作業が可能なコントロールルームも完備され、ゲームの世界観をより細やかに表現するためのSEを収音する、最高の環境を整えています。
