『結婚するって、本当ですか』熊本弁方言・聖地ロケ地場所&元ネタ一覧

『結婚するって、本当ですか』熊本弁方言・聖地ロケ地場所&元ネタ一覧

『結婚するって、本当ですか』熊本弁方言の意味や使い方、聖地ロケ地の場所、元ネタなどを考察。

アニメ『結婚するって、本当ですか』主人公・大原拓也や家族が使用していた熊本弁はどんな意味があるのか、アニメに登場したモデル地などについてネタバレ込みで解説していきます。

『結婚するって、本当ですか』概要

『結婚するって、本当ですか』とは、小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」で2023年6月に連載完結した漫画が原作で、2022年10月に実写ドラマ化、2024年10月からテレビアニメが放送開始しています。

あらすじは、旅行代理店で働く大原拓也(CV.熊谷健太郎)&本城寺莉香(CV.早見沙織)が、アラスカ支店に転属されるのを避けるために、偽装結婚をしていくラブコメ作品。最初は形式的な作戦でしたが、徐々に惹かれ合う内容になっています。

聖地は旅行代理店がある東京・錦糸町、大原拓也の実家がある熊本・阿蘇など。熊本弁監修は熊本出身声優・篠原侑さん(大原泉役)&田尻浩章さん(拓也の祖父役)が担当。以下より、熊本人が実際に使う熊本弁の意味やニュアンス、作品舞台の場所などを整理していきます。

熊本弁方言の意味・使い方一覧

なんしよっとや

熊本弁「なんしよっとや」の意味は「なにしてるの」。アニメ『結婚するって、本当ですか』では、大原拓也(CV.熊谷健太郎)が幼馴染・海山ナオ(CV.ファイルーズあい)との再会時に言っていました。「なんしよっとや」は基本形「なんしよっと」の語尾に「や」を付けて強調するパターンで、特に仲が良い人との会話で使います。

「や」のバリエーションとしては、大原拓也の父親・大原耕一(CV.玄田哲章)が「どうしてココにおっとや」と言っていました。「居るのか」の意味で「おっと」だけでも良いですが、「や」を足して「おっとや」と言うケースでした。

大原耕一が大原拓也に「どういうことや」と言っていたセリフは「どういうことなのか」の意味で使っています。ここでの「や」は目上の人から目下の人に対して言うイメージで、後輩から先輩に言うのは失礼になるので使わないと思います。

ばってん

熊本弁「ばってん」は「~だけど」の意味で、前に言っていた内容と逆のことを言いたい時に使います。アニメでは大原耕一が大原拓也に「おばさんには電話したとか?最近は おうとらんどう ばってん」と言っていました。意味は「おばさんには電話したの?最近は会ってないだろうけど」。

「電話したとか」は、「電話した」、語尾に付ける九州方言「と」、疑問形「か」から成り立っています。「おうとらんどう」は、「おうと」(会って)、否定形「らん」、語尾を伸ばす訛り「どう」が繋がっています。

「ばってん」のバリエーションとして、大原家の長女・大原晴子(CV.松田利冴)が「ばってん、嘘の結婚てよ」と言っていました。意味は「だけど、嘘の結婚だってよ」。

熊本の地元ネタを言うと、熊本市東区には温泉「ばってんの湯」があり、熊本のローカルタレント「ばってん荒川」さん(※2006年死去)も有名なので、「ばってん」は熊本らしい言葉だと思います。

そぎゃん・どぎゃん

熊本弁「そぎゃん」は「そう」「そんな」の意味。大原耕一が「そぎゃんだった」と言っていたセリフは「そうだった」の意味になっていました。

「どぎゃん」は「どんな」の意味があります。大原拓也は「どぎゃん関係」、大原家の次女・大原泉(CV.篠原侑)は「どぎゃん人」、大原家の母親・大原育子(CV.杉本ゆう)は「どぎゃんこと」とそれぞれ言うシーンがありました。

「ぎゃん」だけだと「こう」などの意味に変わり、ぎゃんして(こういうふうにして)、ぎゃん行って(こう行って)のように使います。

とっと

語尾に付ける方言「~とっと」は「~てるの」という意味。大原耕一は大原拓也に「どれだけワシが駆け回ったと思っとっとか!」とブチギレていましたが、「どれだけ私が駆け回ったと思っているのか!」の意味で使っていました。

「よか歳していつまで適当に生きとっとや、がっかりさすんな」の意味は「いい歳していつまで適当に生きているのか、がっかりさせないで」ぐらいになります。大原耕一はまとまったセリフが多いのもあって、ザ・熊本弁という感じの訛り方が印象的です。イントネーションは他キャラも含めて熊本弁そのままなので、熊本人からすれば親近感が湧いてきます!

「とっと」のバリエーションとして、大原泉が大原拓也に「なん突っ立っとっと」(なに突っ立ってるの)と指摘し、大原育子が大原耕一のことを「照れとっとよ」(照れているんだよ)と言うシーンもありました。

なお、拓也の祖母(CV.新井里美)がメロンの出荷準備を「ばあちゃん1人でやっとーと」と言っていましたが、「とーと」と伸ばすのは博多弁だと思いますね。

熊本弁は「っ」で言葉を区切り、博多弁は伸ばすのが特徴的です。例えば「取っている」の熊本弁「とっとっと」も博多弁なら「とっとーと」、熊本弁「なんしよっと」は博多弁だと「なんしよーと」に変わります。そう考えると、「やっとっと」などの方が熊本弁っぽいと感じました。

せからしくて

大原育子の方言「いつもせからしくてごめんね」は「いつもうるさくてごめんね」の意味。「せからしい」は「うるさい・騒がしい」の意味で、アニメ『ガールズバンドクライ』だと熊本出身キャラ・井芹仁菜が「せからしか~!」と叫ぶ場面もありました。

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拓也の祖母が言っていたセリフ「ば?熊本帰ってきたんね」は「あら?熊本帰ってきたのね」、「ば!そういえばあれね、拓ちゃん結婚するらしかね」は「あ!そういえばあれね、拓ちゃん結婚するらしいね」の意味。

熊本弁で喋り出しの「ば」は、「あ」「あら」「あれ」「え」「うわ」ぐらいのニュアンスで、重大なことを突然思い出した時、驚きながら指摘する時などに使用します。日常的な場面なら「ば!財布忘れた!」とか、お気に入りの店が閉店して衝撃を受ける場面なら「ば!潰れとるし!」などと表現するイメージです。

言葉の途中に「ば」を入れるパターンだと「~を」の意味に変わります。例えば「うちのメロンは、よう手ば掛けとるけんね」は「うちのメロンは、よく手を掛けているからね」、「頭ば支えんね」は「頭を支えなさいよ」の意味で使用されていました。

語尾に「ば」を付けるケースなら「~しなければならないよ」ぐらいのニュアンスになります。拓也の祖母が「そっと運ばんば」と言っていたセリフは「そっと優しく運ばなければいけないよ」の意味で出てきました。「ば」の配置を変えるだけで違う意味になるので、方言の面白さを感じることもできますね。

けん・ばい

「けん」「ばい」は語尾に付ける九州方言で、「~だから、~だよ」などの意味があります。拓也の祖母が「朝ごはんできとるけんね」と言っていたセリフは「朝ごはんできているからね」の意味。他には「~やけん、~だけん」「わかるけん」なども出てきました。

たい

語尾に付ける九州方言「~たい」は、「~だよ、~だろ、~でしょ」などの意味。大原拓也は「小学校んときの話たい」と言っていました。意味は「小学校のときの話でしょ」です。

~と

「~と」も語尾に付ける九州方言で、「~だよ、~だろ、~なの」などの意味で使います。大原耕一は大原拓也にカレーの「ルゥは有限と」(ルゥは有限だろ)、大原育子は海山ナオに「来とったと」(来てたのね)と言っているシーンがありました。

疑問形だと、大原拓也が海山ナオに「東京くっと?」(東京に来るの?)、大原晴子が大原拓也に「結婚せんと~?」(結婚しないの~?)と言っていました。

「と」に「よ」・「ね」・「に」などを付け加えるパターンもあり、アニメでは「メロン運んできとったとよ」(メロン運んできてたんだよ)、「色々あっとね」(色々あるのね)、「買っとったとに」(買ってたのに)のように使っていました。

~ど

語尾に付ける「~ど」は「~でしょ」ぐらいの意味で、未確定要素が肯定になるだろう・肯定だと思っているようなニュアンスが含まれています。

大原耕一は「出荷の手伝い行ってくっ、終わっ頃には拓也も帰ってくっど」 (出荷の手伝いに行ってくる、終わる頃には拓也も帰ってくるでしょ)と言っていました。帰宅の時間帯は未確定要素ですが、出荷の手伝いが終わる頃には帰宅するだろう=肯定的な意味が入っていることになります。

他の例を挙げるなら、ご飯を食べに行くだろうと思っている時に「ご飯食べ行くど?」(行くでしょ?)とか、昨日友人らしき人物をどこかで見かけたなら「昨日○○に、おったど?」(いたでしょ?)などと言うイメージです。

~ね

「~ね」は標準語と同じような語尾に付ける言葉ですが、方言と一緒に合わせると独特の言い回しになっています。

「~かい?」の意味が当てはまる言葉だと、「車乗っていかんね?」(車に乗っていかないかい?)、「メロン切ってみるね?」(メロン切ってみるかい?)、「食べてみんね」(食べてみないかい)、「着てみんね」(着てみないかい)などがアニメに出てきました。拓也の祖母が何かを誘う状況で歓迎のニュアンスが含まれており、優しい印象を与えていたと思います。

大原育子が、じゃれ合う大原拓也&海山ナオに言っていた「いい歳してやめんね~」は「いい歳してやめないかい~」の意味でした。本当にやめてほしいというより、冗談交じりに突っ込んでいる雰囲気が感じられました。

他には「帰ってきたとね?」が「帰ってきたのね?」、「どげんね」が「どうなの」の意味で使用されていました。「ね」は強めに指摘する場合にも使い、例えば命令形「~しなさいよ!」の意味で「~せんね!」といった使い方もできます。

~か・みぞか

「~か」も九州でよく聞く方言で、「~だよ」ぐらいの意味で使います。拓也の祖父(CV.田尻浩章)は「痛いよ」の意味で「痛か」と言っているシーンがありました。

大原拓也は海山ナオに「すごかよ」(すごいよ)、「ガラス職人になったとか」(ガラス職人になったのね)、大原耕一は大原拓也に本城寺莉香のことを「東京で会った人じゃなかか」(東京で会った人じゃないか)、拓也の祖母には「気にせんちゃ良か」(気にしなくていいよ)と言っていました。「良いだろうに」の意味で、「よかろうが」と言っている場面もありました。

海山ナオが本城寺莉香にかしこまっている時には、大原拓也が「なんねナオ、えらく かしこまってか~」と言っています。この場面は、いつもの天真爛漫なナオではなく猫被っているので、冷やかし気味に「どうしたんだナオ、(いつもと違って)すごく かしこまっているじゃないか」と突っ込む印象でした。

拓也の祖母が本城寺莉香に言っていたセリフ「みぞか」は「かわいい」の意味で、熊本県天草の方言です。世代や地域などでも変わってきますが、熊本市内だとあまり聞かない方言かなと思います。

~ぞ

語尾に付ける熊本弁「~ぞ」は「~だぞ」の意味で、何かを強めに主張したい時、少しキレ気味で諭す時などに使います。

大原耕一が大原拓也に「家で待っとっとぞ」と言っていたセリフは「家で待ってるんだぞ」が直訳で、「皆が家で待っているのに、なんでまだ家にいないのか」のニュアンス・怒っている感情が入っていました。

なっせ

熊本弁「なっせ」は「してね」ぐらいの意味で、状況によっては相手を敬う気遣いも含まれます。アニメ『結婚するって、本当ですか』では、「食べてきなっせ」(食べてきなさいね)、「休ませておきなっせ」(休ませておいてあげてね)の言葉が出てきました。

好いとる

「好いとる」(すいとる)は「好き」の意味がある方言です。拓也の祖母は本城寺莉香と話すシーンで、大原拓也が本城寺莉香を好きなことについて、「好いとる」の方言で教えていました。

よった

「~よった」は「~ていた」の意味。大原拓也は海山ナオのことを「昔から何でも出来よったけん」と言っていました。意味は「昔から何でも出来ていたから」です。「~よった」は「しよった」(していた)、「来よった」(来ていた)などの使い方もできます。

ごた

熊本弁「~ごた」は「~みたい」の意味があります。大原晴子は「ドラマみたい」の意味で「ドラマんごたぁ」と言っていました。他には何かを「しよったごた」(していたみたい)のように使うこともできます。

はいよ

「~はいよ」は「~してね」の意味がある熊本弁です。拓也の祖母が言っていた「また来てはいよ」は「また来てね」の意味で使用されていました。何かを見て欲しいなら「見てはいよ」と言い、優しい雰囲気が含まれる方言だと思います。

らす

「~らす」は「~している」の尊敬語で、熊本や長崎などで使用される方言。大原育子が言っていたセリフ「お父さんはしばらく怒っとらすやろうけど、なだめとっけん」は「お父さん(大原耕一)はしばらく怒っているだろうけど、なだめておくから」の意味になっていました。

「先生、家に来てくれらすけん」は「先生、家に来てくれるからね」の意味で、先生を敬う気持ちが感じられる方言です。他には「~しよらす」の言い方も熊本弁で、例えば「いま先生が 治療ば しよらす」などのように使います。

なはる

「~しよんなはる」は「~しておられる、~していらっしゃる」の意味がある熊本弁。「~らす」同様に、尊敬語の方言です。

「~なはる」は、来よんなはる(来てくれている)、始めなはる(始めてくれる)などのような使い方もあります。

ひいとるよ

拓也の祖母が言ったセリフ「お布団ひいとるよ」は「お布団敷いてるよ」の意味。「しく」→「ひく」、「~ている」→「~とる」に訛った方言は、熊本以外の地域でも使用されています。

はよ

本城寺莉香が倒れた時、拓也の祖母が言っていたセリフ「はよ来て」は「早く来て」という意味。「はよ」は「早く」の意味で、関西や福岡でも使われます。

なして

「なして」は「なんで、どうして」などの意味がある方言。熊本弁特有というより北海道や福岡など全国各地で使われる方言です。熊本での使用頻度は低い印象で、時々聞く程度かなと思います。

アニメでは「それよか、なしてそがんことになったと?」と言っているシーンがあり、「それよりも、なんでそんなことになったの?」の意味で使われていました。

やろ

「~やろ」は「~でしょ」の意味があり、大阪や福岡でも使われますが、わりと一般化している表現だと思います。作中では大原拓也が海山ナオに「お前もクセ毛やろ」と言っている場面がありました。

はった

大原晴子が本城寺莉香に言っていたセリフ「わざわざ来てくれはったんですか」は「わざわざ来てくださったんですか」の意味で、「はった」に尊敬のニュアンスが入っています。これは熊本弁というより、関西弁っぽい言葉かなと感じました。

熊本弁で「~はった」は、例えば「来てくれた」の意味で「来なはった」なら言います。そう考えると、「わざわざ東京から来なはった」などの方が熊本弁っぽいと思いました。「来なはった」は「~なはる」の過去形「~なはった」に「来る」を当てはめた使い方になります。

聖地・ロケ地の場所

アニメ『結婚するって、本当ですか』の聖地は東京都・墨田区だと錦糸町の喫茶ニット、東京スカイツリーが見える大横川親水公園があります。台東区では今戸神社が聖地です。

熊本県の聖地は阿蘇くまもと空港、阿蘇火山博物館・阿蘇山上ビジターセンターなど。大原拓也&本城寺莉香が車で阿蘇火山博物館に行く際には、いきなり牛が現れるシーンもありましたが、実際にドライブしていると本当に突然、放牧中の牛が現れますよ!

阿蘇は開放感のある観光地で、とても空気がきれいで景色も良いのでおすすめです。熊本人も王道は山なら阿蘇、海なら天草という感じだと思います。阿蘇は新鮮なソフトクリーム・あか牛丼などのグルメも楽しめます!

それから阿蘇の中岳や草千里について本城寺莉香が語る場面もあり、地理に詳しいだけあって饒舌になっていましたね。

元ネタ・オマージュ番組

アニメ『結婚するって、本当ですか』5話で出てきた「ボチコモリ」は、バラエティー番組「ブラタモリ」を元ネタとするオマージュ番組という印象でした。

サングラス姿の人物・小森(CV.堀内賢雄)はタモリさんがモデルなのかなと思います。ボチコモリのナレーションは声優・榎木淳弥さんが担当していました!

まとめ

アニメ『結婚するって、本当ですか』に出てくる熊本弁の方言は、イントネーションや喋り方も含めて熊本人が喋る熊本弁そのままで、聖地の再現度も非常に高いと思います!

大原拓也&本城寺莉香が形式的な関係から徐々に惹かれ合うストーリー、原作リスペクトが感じられるキャラや背景の美麗作画なども必見です!アニメBlu-ray上下巻・原作漫画全巻セットなども要チェック!

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