前橋ウィッチーズ感想。なぜ前橋市が聖地、菜なれ花なれ考察

前橋ウィッチーズ感想。なぜ前橋市が聖地、菜なれ花なれ考察

アニメ『前橋ウィッチーズ』ネタバレ感想。なぜ群馬県前橋市が聖地モデルか、面白い理由や微妙な要素などを考察。

群馬県が舞台のオリジナルアニメ『前橋ウィッチーズ』と『菜なれ花なれ』の比較、『ラブライブ!』シリーズなどの他作品を連想したシーンも掲載。

前橋ウィッチーズとは

『前橋ウィッチーズ』とは、原作・制作:サンライズ、アニメーション制作:SUNRISE Studios(サンライズスタジオ)によるオリジナルアニメ。監督は山元隼一さん、シリーズ構成/脚本は吉田恵里香さん、キャラデザ原案はユウ イナミさん、キャラデザは立花希望さんが担当。2025年4月からTOKYO MX・BS11などで放送、アマプラ・dアニメストアなどで動画配信。

あらすじストーリーは、魔女になりたい少女が悩める人の願いを叶えていく内容。聖地は群馬県前橋市で、聖地巡礼が楽しめるアニメにもなっています。

以下より、アニメ『前橋ウィッチーズ』は具体的にどんな話なのか、どこが魅力なのか、見る人を選ぶ微妙な要素などを考察していきます。

ネタバレ感想・評価

魔女・花屋設定

『前橋ウィッチーズ』は魔女になるために修業の一環として花屋のお店をして、悩める人の願いを叶える中で、花や歌を届ける話になっています。願いを叶えるとレジにポイントが貯まり、9万9999ポイントまで貯まると一人前の魔女になれます。魔女になればどこでも魔法が使えますが、それまではお店だけで魔法が使える状態です。

1話は魔女・花屋・ライブシーンなど各要素の詰め込みすぎ感、何のアニメなのかわかりにくいと感じる部分もありました。詰め込みはセリフ量やスピードではなく、ジャンル要素の問題です。しかし、花屋や歌は手段であり、悩める人の願いを叶えること・最終的には魔女になることが目的になっていて、手段と目的・需要と供給などを含めて論理的な脚本になっていました。

大学の医学部進学に悩む少女・膳栄子(CV.芹澤優)が登場した際には、赤城ユイナ(CV.春日さくら)は栄子が応援してくれる存在がほしいと解釈した上で応援しています。青い薔薇(花言葉:夢が叶う・不可能はないなど)を贈り、歌のライブステージも見せて、栄子は一歩踏み出していました。

お店の入口は求める人の前に現れるので、入口は常に移り変わり、1話の場合は進路に悩む栄子の前に現れたと解釈できます。悩める人がいるから入口が出現し、栄子は前向きになって魔女を目指す側のメンバーも栄子の願い(応援してほしい)を叶えたことで経験を積んだwin-winのような関係もあったと思います。

作画・ライブシーン

『前橋ウィッチーズ』の作画やライブシーンのCGは綺麗ですが、CGは好みが分かれるかもしれません。魔法を展開してアイドルのような衣装になる描写は、ライブの前準備・変身バンク的な要素になっていたと思います。

悩める人の願いを叶える手段として歌を届けるのは1つの方法だと思いますが、アイドルのような衣装で和風な演出も入っていたので、これも要素の詰め込みすぎ感に繋がっていたと感じました。悩める人のために歌う→願いを叶える→魔女になる過程で、アイドル作品ではないのに衣装がアイドル風なのは狙いすぎた感があり、アニメと音楽を繋げてコンテンツ展開したい製作側の意向が見え隠れしていたように思います。

ただし、歌と花屋の要素はストーリー上も必須要素ではなく、悩める人の願いを叶える手段として、赤城ユイナのイメージした内容に連動した結果でした。このように考察してみると、少なくとも一直線な複数要素の詰め込みではなく、要素同士の配置関係を明確にしたストーリーだと評価できそうです。

現代の悩みと成功

『前橋ウィッチーズ』は令和7年(2025年)の時代設定なので、放送年の2025年と同じになっています。医学部進学に悩む少女は現代的な悩みであり、応援する流れは勇気をもらえるストーリーだと思いました。

赤城ユイナは花や歌のイメージを具現化して花屋・ステージが登場したので、一種の成功者・小さな成功という見方もできます。そこから悩める人の願いを叶えて、魔女になる過程が描かれていくので、説得力のある展開にもなっていると思います。現実と魔法の組み合わせで、明るい方向になるのも魅力の1つだと感じました!

なぜ前橋市が聖地か

『前橋ウィッチーズ』は群馬県前橋市が聖地で、赤城山、ローズアベュー(前橋中央通り商店街)、群馬県庁、日本トーター グリーンドーム前橋、上毛電気鉄道 大胡駅などが1話で登場。聖地の風景などは再現度の高いアニメイラストを見ることができます。

OP映像には、中央前橋駅⇔西桐生駅を走る上毛線の沿線図があり、キャラ名にもなっている赤城・新里・北原・三俣・上泉はそれぞれのイメージカラーで強調され、文字も大きくなっています。

『前橋ウィッチーズ』はなぜ前橋市が聖地か考えた時に、前橋市のキャッチフレーズ「水と緑と詩のまち」に連動させている可能性があります。この根拠は1話で緑のある川を背景に反省会をするシーン・自然の風景で魅せる描写などが挙げられ、ウィッチーズとキャッチフレーズの言葉も見た目が似ています。

他には北海道や沖縄に比べれば、都内からロケ地への取材・聖地巡礼がしやすい距離という製作側の事情も考えられます。実在する場所がアニメの舞台になるのは嬉しい一方で、聖地巡礼ビジネスを狙いすぎて失敗したアニメもあるので怖いところです。

風景やキャラ名は形式的に入れるだけで聖地になりますが、ストーリーの核となる部分で前橋市の必要性が感じられるレベルまで連動すると作品に深みが出ると思います。『前橋ウィッチーズ』1話では聖地が前橋市の必要性はそこまで強く感じなかったとはいえ、タイトルに前橋を掲げるぐらいなので、最終回までに繋がる描写がありそうな気もします。

キャラ・声優

『前橋ウィッチーズ』で魔女を目指すキャラクター・声優・イメージカラーは、赤城ユイナ(CV.春日さくら/ピンク色)、新里アズ(CV.咲川ひなの/紫色)、北原キョウカ(CV.本村玲奈/緑色)、三俣チョコ(CV.三波春香/黄色)、上泉マイ(CV.百瀬帆南/青色)となっています。赤城ユイナの場合は積極的で明るい性格・家はまんじゅう屋など、それぞれ推しポイント満載です。

他4人だけでは魔力が足りずにお店がオープンできなかった状態から、赤城ユイナの追加でオープンできるようになったエピソードもありました。これにより、赤城ユイナがキーとなる登場人物で、5人の絆がどのように深まるのか?といった期待感も出ていたと思います。

キャラが多すぎると、名前&顔が一致するまで時間がかかる恐れ・掘り下げ不足などの懸念もありますが、『前橋ウィッチーズ』はメインの女性キャラが5人なので、推しキャラが選びやすい人数といった見方もできそうです。

5人を魔女の道に導いたのは、謎のカエル・ケロッペ(CV.杉田智和)。誠実なスカウトか、何かの陰謀を企んでいるのか?など気になるキャラとなっています。魔女ガチャのセリフは、親ガチャ・新入社員の配属ガチャなど、○○ガチャというワードが広く使われている状況を思わせます。若手女性声優5人×杉田智和さんの組み合わせも魅力の1つで、それぞれの掛け合いにも要注目!

主題歌・挿入歌

『前橋ウィッチーズ』OP主題歌は、前橋ウィッチーズ「スゴすぎ前橋ウィッチーズ!」(作詞:つんく 作曲:TORIENA 編曲:岸田勇気)。ED主題歌は前橋ウィッチーズ「それぞれのドア」(作詞・作曲:雲居ハルカ 編曲:岸田勇気)。OPはハロプロ感があり、つんくさんなどの豪華クリエイターが手掛けた神曲が聴けるのも魅力だと思います。楽曲の完成度は非常に高いので、音楽面でも楽しめそうです。

1話挿入歌は、前橋ウィッチーズ「夢よ、咲け!」。歌詞にある「現状維持ぶち壊せ」のフレーズは、進路の悩みを吹き飛ばしたストーリーと連動していました。1話サブタイトル「現状維持で何が悪いっ!!」とは矛盾する流れとも受け取れますが、これは新里アズが現状維持の何が悪いのかと言ったシーンの方から抜き出した要素だと解釈できそうです。新里アズの考えが今後変わる可能性の示唆、あるいは皮肉的な要素として効いていたと思います。

菜なれ花なれ

『前橋ウィッチーズ』と『菜なれ花なれ』は、オリジナルアニメ・群馬県が聖地・美少女キャラの日常・花の要素・ブルーの色トレス線などで類似要素があります。

P.A.WORKS制作のアニメ『菜なれ花なれ』は高崎市がメイン聖地のイメージで、前橋市も聖地の1つでした。前橋市を聖地にした『前橋ウィッチーズ』はエリアが限定的になっていると思います。

女子高生の美少女キャラが出てくるのも同じ要素ですが、『前橋ウィッチーズ』は魔女を目指す5人、『菜なれ花なれ』はチアリーディングをする6人がメインキャラとなっています。楽曲はキャラのユニット・前橋ウィッチーズ、PoMPoMsがそれぞれ歌唱しています。

『前橋ウィッチーズ』は悩める人の願いを叶えるストーリー、『菜なれ花なれ』はチアリーディングで応援していたので、誰かを後押しする設定も類似点です。『前橋ウィッチーズ』は花屋のお店が出てきて、『菜なれ花なれ』はタイトル=キャラは咲く草花のように菜・花であってほしいという意味なので、花の要素で似ている部分があります。どちらも自然の風景が綺麗で、見ていて癒されるのも同じ成分だと思います。

キャラがブルーの色トレス線になるシーンも共通要素で、『前橋ウィッチーズ』はお店がある空間の一部シーンでキャラの線が青くなり、『菜なれ花なれ』は全体的にキャラの線は青かったので、場面の違いはあります。金髪キャラ繋がりだと、三俣チョコは杏那・アヴェイロを連想しました!

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ラブライブ!他

『前橋ウィッチーズ』は『ラブライブ!』シリーズを思わせる要素も入っています。冒頭でSUNRISEのロゴが出てくるところ、キラキラした美少女キャラのライブシーン、赤城ユイナが口癖のように言っている「エモエモ」のセリフは『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』2期2話でエマ・ヴェルデが言ったセリフ「エモエモで尊みが深い」などが連想されます。

マスコットキャラクターのようなケロッペが魔女に誘う展開・少女たちが人の願いを叶える点は、オリジナルアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』(まどマギ)きュゥべえが魔法少女に誘う展開・少女の願いを叶える設定を思わせます。

アニメを見た感想として、音楽コンテンツを入れたい製作側がライブシーンを追加したような印象は、アイスホッケーの試合後にライブシーンが出てきたオリジナルアニメ『プラオレ!~PRIDE OF ORANGE~』を連想しました。

他にもどこかで見たことがある要素が随所で出てくるので、オリジナルアニメなのに既視感やデジャヴ状態になる可能性はあります。ただし、各要素の組み合わせ方は斬新で、共通点や違いを含めて楽しみながら、最終回まで視聴継続していきたいところです!

前橋ウィッチーズ考察まとめ

『前橋ウィッチーズ』の魅力は前橋市の聖地要素、魔女を目指す美少女キャラの日常、人の願いを叶える展開、覚えやすいメインキャラ数、神曲の主題歌や挿入歌など。見る人によって評価が分かれそうなところは魔女・花屋・歌の組み合わせ、1話の詰め込みすぎ感、ライブシーンのCG、どこかで見たことがあるような既視感などが挙げられます。

聖地が前橋市の理由は前橋市のキャッチフレーズと連動して、水や緑の自然が出てくるところなどが考えられます。群馬県が聖地のアニメ『菜なれ花なれ』とは複数の類似点もあるので、一緒に群馬を盛り上げる要素、良い意味で比較しながら楽しむ視点で見ていくのも面白いと思います。

次はどこが聖地で出てくるのか、キャラ同士の関係はどうなるのか、魔女になる結末はどのように描かれるのか?など気になるところも多いので、最新話の展開に要注目です!

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